〔特集〜地域の中の国リハセンター(2)〕
①所沢インターナショナルファミリー
〜海外研修員との交流〜
所沢インターナショナルファミリー 小田良子


 私たち所沢インターナショナルファミリー(TIF)は所沢市内で国際交流・国際理解を進める活動をしている市民グループです。外国の人を対象とした日本語教室を中心に、パーティーなどの交流活動や専門家を招いての学習活動を行っています。日常交流をしているのは市内在住の外国の人たちですので、国立障害者リハビリテーションセンターの海外研修員の皆さんとの交流は、私たちにとって活動の一つのアクセントであり、毎年夏のJICA補装具製作コースの研修開始を前に交流の計画を立てる事が恒例となっています。
 TIFの発足は1988年ですが、JICA研修員との交流は当時までさかのぼることが出来ます。会発足のきっかけとなった所沢市教育委員会主催の「国際理解入門講座」でJICA八王子国際センター(当時)の研修員のホームステイが実施され、発足後も初年度から八王子滞在の研修員との交流活動を行っています。その後、地元所沢のリハビリテーションセンターと環境調査研修所で研修を受けるJICA研修員の皆さんとの交流が始まりました。歓迎会や会員宅へのホームビジットやホームステイ、ところざわまつりやお茶会で日本文化に触れていただくことなど、会員でアイデアを出し合い様々な交流をしてまいりました。パーティーで歌や特技を披露していただいたこと、夜に開講している教室で日本語学習のお手伝いをさせていただいたこともありました。帰国後も手紙のやり取りなどの交流を続けている会員もおります。
 リハビリテーションセンターには海外研修員以外にも海外からの研究員もいらっしゃいます。そういった方も含め、限られた期間ですが日本を知っていただき、良い思い出を持って帰国していただこうと、地元のボランティアとしてささやかな活動をしてまいりましたが、私たち自身、交流を通して外国の人と触れ合い楽しい時を過ごす以上に意味のある経験をさせていただいていると感じています。
 市内に在住する外国人は中国などアジア出身の人が多いのですが、JICA研修員の皆さんは発展途上である中南米やアフリカなどの地域からの来日で、中には紛争地と呼ばれる国からの人、厳しい条件の中から苦労して研修の機会を得た人などもいらっしゃいました。出身国の様子や研修にかける意気込みなど伺うにつけ、情報に接する機会の少ない国々への理解を深めることができました。また補装具製作部や国際協力係の職員の方々をはじめ、センターを挙げて研修と研修員をサポートしてらっしゃる様子を拝見し、広く日本の国際協力にも関心が広がり、リハビリテーションセンターやJICA東京国際センターの見学などの活動にもつながりました。
 時代の流れとともに私どもの活動のすすめ方や研修のスケジュールも変わり、以前のように多くの交流の機会を設けることが難しくなっていますが、会員の目を広く世界に向ける機会を提供して頂いていることに感謝し、身近に世界とつながる先進的な施設があるということを誇りに感じます。



(写真)JICA補装具製作コース送別会で研修員と

JICA補装具製作コース送別会で研修員と
(左から2人目が筆者)