〔国際協力情報〕
日中韓のリハビリテーションセンターの協力
及び交流に関する協定の締結について
管理部企画課


 当センターは、2月19日(土曜日)に中国リハビリテーション研究センター、韓国国立リハビリテーションセンターとの間で協力及び交流に関する協定を締結しました。
 協力協定の調印式には、当センター岩谷 力総長、中国リハビリテーション研究センターの李 建軍センター長、韓国国立リハビリテーションセンターのYong Hurセンター長、厚生労働省から木倉敬之障害保健福祉部長、小河芳弘施設管理室長、中国、韓国のリハセンターの職員及び当センターの幹部職員が出席し、3センターの長が協定書に署名をしました。
 はじめに、当センターと協定を締結した2つのセンターについて簡単に紹介します。
 中国リハビリテーション研究センター(北京市)は、JICA(国際協力機構)の技術協力により1988年に開設し、障害がある人々の治療と医学的なリハビリテーションを中心に、専門職員の養成、研究開発を行っています。職員は約1500人で病院のベッド数1200床の中国における中心的なリハビリテーションセンターです。当センターはJICAに協力してこのセンターの設立時から支援を行い、現在もリハビリテーションの人材養成の技術プロジェクトを通じて協力関係にあります。
 韓国国立リハビリテーションセンター(ソウル市)は1986年に設立され、医学的なリハビリテーション、障害がある人々の社会生活に関する支援、社会啓発活動と福祉機器等の研究開発を行っています。職員は約370人でベッド数は300床です。平成16年には当センターとの間で協力協定を締結し、毎年、リハビリテーションの専門家が当センターで研修を行っています。
 また、中国、韓国のセンター間でもセミナーで講演を行う等の交流があります。
 このような長年の交流の実績の上に今回、協力協定を締結することとなりました。
 今回の協定締結の目的は、この3センターが、互いが有するリハビリテーションプログラムや技術を学び共同活動を行うことにより、日本、中国、韓国における障害がある人々のリハビリテーションの向上に努めることです。
 今回の協定により、以下の4項目の活動を行います。
 (1) 研究者およびリハビリテーション専門職員の交流
 (2) 共同研究の実施
 (3) 講義、講演、シンポジウム等の実施
 (4) 学術情報の交換
 この4つを実施することにより、単に情報の交換だけではなく、リハビリテーションの現場や研究を担う専門職員が互いの現場を知り、臨床や開発の場で実際に役に立つ技術や情報を得、それぞれのセンターが独自に実施しているプログラムを学ぶこともできます。リハビリテーションは技術の側面だけではなく、各国の障害に関する医療、福祉、雇用等の制度も関わってくるため、相手国の実情を把握することが必要となります。
 協力期間は6年間ですが、協議により延長することができます。3か国のセンターが協力して毎年計画的に技術や情報の交流、協力活動を実施することにより、障害がある人々のリハビリテーションの向上に結びつく成果を得たいと考えています。ひいては東アジア地域のリハビリテーションの推進に貢献できるようになることも期待しています。

(写真)協力協定調印式にて(平成23年2月19日)
協力協定調印式にて(平成23年2月19日)