〔平成23年度運営方針(重点事項)② 部門間連携事業〕
盲ろう者宿泊型生活訓練等モデル事業について
 


 昨年10月から、モデルハウスを活用した「盲ろう者宿泊型生活訓練等モデル事業」が本格的に始まりました。盲ろう者を対象に、専門的な生活支援や自立訓練等を提供できる施設は少ないため、盲ろう者の中には、必要なときに必要な支援を受けられずに不自由で孤立しがちな生活を余儀なくされている方が少なくないと言われています。

 本モデル事業は、このような状況におかれている盲ろう者に対して、孤立させない支援体制や支援方法のあり方を取りまとめ、都道府県等に情報発信していくことを目的に平成22〜23年度の2年間の事業計画となっています。また、厚生労働省、国リハ、障害者団体による官民合同チームが連携することで運営されている点に大きな特徴があります。特に国リハ内においては、学院長を責任者として自立支援局が実務の主体となり、訓練マニュアルや人材養成に関しては学院から、情報収集とデータ分析に関しては研究所から、医学的データの収集と分析に関しては病院から協力をいただくなど、センター全体で取り組むモデル事業となっています。

 さて、モデル事業1年目の今年度については、全国から6名の方が利用開始され、3月末までに2名の方が順調に訓練を終えられました。平成23年度も新規利用者の受け入れを予定しており、本年9月までは訓練室やモデルハウスを中心に様々な支援を展開する予定です。具体的には、次のように充実を図る予定となっています。

① 盲ろう当事者による実践的な支援を行うため、盲ろう当事者によるコミュニケーション支援などのプログラムを導入する。

② 休日の余暇活動支援をさらに充実させるため、外部講師を招いて幅広い余暇活動メニューを計画し、実践する。

③ モデルハウスにおける休日の支援体制の連携を強化するため、生活支援員同士の重複配置時間帯を設ける。

④ 通訳・介助員を中心に100名近い協会スタッフや職員を配置しており、その勤務ローテーションの作成や変更調整を迅速に行うため、専属の事務補助員を配置する。

⑤ 研究所の協力を得て本モデル事業に関連する研究を行い、盲ろう者に対する有効な支援方法等に関する研究を行う。

 なお、平成23年度は、本モデル事業の最終年となるため、これまでの支援実績を踏まえて事業報告書や研究報告書、訓練マニュアルなどを作成し、併せて支援員等の人材養成に関する検討も行いながら本モデル事業の総括を行う予定です。

 今後とも本モデル事業を円滑に進捗するため、皆様のご支援をよろしくお願いいたします。