〔平成23年度運営方針(重点事項)② 部門間連携事業〕
健康増進センターと部門間連携について
 


 健康増進センターは、2010年度に発足した。組織的には2010年4月から始まったが、人員の募集は10月1日付で開始され、2011年1月より、新たに医師、保健師が配置され、本格的に活動を開始した。


1.健康増進センターの目的

 健康増進センターの目的は2つある。

 一つは障害者の健康作りである。障害者の生活習慣病の実態を把握し、その予防、生活習慣改善のプログラムを開発し、利用者に積極的参加を促し、健康づくりの環境整備を促進する。 他の一つは障害者スポーツの普及である。この2つは一見落差があるように思われるかもしれないが、健康増進のためには、人々の生活の中にスポーツやレクリエーションが必要になる。健康増進センターは障害者のスポーツやレクリエーションを普及させることによって健康増進を推進しようとするものなのである。


2.健康増進センターとICF

 WHOが2002年に発表したICFモデルに則って考えてみると健康増進センターは、障害者の「健康」と「参加」に関与する事業を行う部門であり、今までセンター機能にはなかった分野を補完するものといえる。ICFモデルにおける「参加」とは、社会参加という言葉でイメージされる就労やボランティア活動といったもののみならず、趣味活動や娯楽、スポーツなど、人間らしく生きるために行われる全ての活動を含んでいる。健康増進センターはこのような分野の研究開発、サービス提供を目指すことを目的とする。


3.健康増進センターの事業と部門間連携

 健康増進センターにとって自立支援局の利用者は、大事なサービスの対象であり、研究フィールドでもある。健康増進センター開設以前から、利用者には、検診が行われ、生活習慣病の予防プログラムが提供され、研究活動も行われてきた。これらは自立支援局、体育館、病院が関わってきた。

 また、2010年7月には、健康増進・スポーツ外来を開設し、健康増進のためのスポーツ活動の提供、プログラム開発、アスリートのための医学的支援を開始している。この活動には研究所の運動機能系障害研究部緒方部長に負うところが大きい。また、栄養士も積極的に関わっている。


4.健康増進センターの今後

 今のところは臨床経験を積み重ね、いろいろな活動を定着させようと努力を重ねているところだが、ゆくゆくは動作解析等を通じて安全で効率のよいスポーツ活動、競技成績、記録の改善、障害者の運動生理、生涯スポーツの開発や定着に向けた研究活動や実践を行っていきたいと考えている。そのためにも各部門との連携が必須となる。

 よろしくお願いします。