〔学院情報〕
養成部門の紹介
 


 国立障害者リハビリテーションセンター学院には、言語聴覚学科、義肢装具学科、視覚障害学科、手話通訳学科、リハビリテーション体育学科の5つの学科があります。今年度は5学科あわせて66名の新入生を迎えました。3月に起きた東日本大震災の被災地からの入学生もいましたが、入学から3ヶ月経ち、今は集中して勉強に励んでいます。
 各学科の授業や行事の様子について、新入生に学校生活で感じていることなども含めて述べてもらいましたので紹介いたします。今回は言語聴覚学科、義肢装具学科、視覚障害学科の3学科、次号に手話通訳学科、リハビリテーション体育学科の2学科を掲載予定です。




言語聴覚学科

言語聴覚学科1年 安田 友香


 学院の言語聴覚学科に入学してから、早くも3ヶ月が過ぎました。入学当初は緊張の毎日でしたが、学院全体で行われたスポーツ交流会、リハビリセンターで行われた体育祭などを通して、次第にクラスメイトとも打ち解けることができました。
 クラスには、さまざまな領域から来た学生が集まっており、友達のことを知っていく過程がとても楽しいです。大学で言語学を学んでいた人、法律事務所で働いていた人、外国で演技を学んでいた人等々、全員が異なる背景をもってこの言語聴覚学科に集まりました。授業でわからないことがあると、専門的に学んでいた人に聞いて、みんなで助け合っています。勉強だけでなく、時間がある時には、体育館を借りてバドミントンをしたり、バレーをしたりしてリフレッシュしています。クラスメイトに恵まれ、みんなと一緒に学んでいることがとても嬉しい毎日です。
 授業では、障害の実態や人間の体のつくり、脳の仕組みについて等々、興味深い授業がたくさんあり、毎日新しい発見に出会います。私たちに指導して下さる先生方は、医学的、学問的事柄に限らず、倫理的なことも、しっかりと伝えて下さいます。人間的であり、科学的でもある先生方から、学問と共に、言語聴覚士として持つべき心構えや姿勢も学び、充実した日々を送っています。
 これからも、クラスメイトと支え合いながら、有意義な学院生活を送りたいと思います。


写真 スポーツ交流会にて
スポーツ交流会にて



義肢装具学科

義肢装具学科1年 和田 夏樹


 私達1年生が入学して早3ヶ月、これまでとは異なった環境の中で厳しくも充実した日々を送っています。
 義肢装具に関する授業は実習中心で進むため、実践的に技術を学ぶことができます。また座学の授業には心理学や解剖学、物理学などがあり、義肢装具士に求められる幅広い知識を様々な方向から学びます。これらの授業はどれもが新鮮であり、自分は義肢装具士という仕事へ一直線に向かっているのだという実感を得られます。また学院生活に関しては、教官方やセンターの方々、先輩方による丁寧なサポートと叱咤激励を頂き、集中して勉学に励むことができます。
 この学科の雰囲気は高校や大学のそれとは異なり、社会人としての対応や振る舞いに近いものを求められます。「義肢装具学科は大人の学校である。」とは教官の言葉ですが、本当にその通りであると強く感じます。
 勉学面、生活面と、どれも入学前に想像していたものよりも厳しいものでしたが、私にとってはそれがやりがいになり、励みになっています。これから更に様々なことを学び、その中で多くのものを求められると思いますが、私達義肢装具学科の1年生は新しい知識や技術を得、また人間的に成長していくことで、世の中に必要とされる義肢装具士になれるように切磋琢磨してまいります。


写真 下腿義足の製作実習   写真 義肢装具に使用する材料についての講義
下腿義足の製作実習   義肢装具に使用する材料についての講義



視覚障害学科

視覚障害学科1年 山口 史明


 入学からはや3カ月が過ぎ、季節が夏にうつろう今日、私たち視覚障害学科一同は勉学に忙しい日々を過ごしています。さらに本学科の中心的な科目である白杖歩行訓練が始まり、身をもってその難しさと重要性を実感しています。その中でより良いものを作り上げようと努力し試行錯誤を行う私たちですが、入学時には色も形も違う7人であったため今後の学院生活の先行きが不安になることがありました。しかし現在では、それぞれに異なった経験や視点を持つことが逆に良い結果をもたらしています。さらに学院生活以外では理療教育学科の方々や外部講師の諸先生方始め、多くの交流の機会があります。そのため、私たちは自分の専門分野以外の知識も幅広く得ることができること、そしてこの恵まれた環境に対して感謝しています。
 私たちは視覚障害について学ぶ過程で、少しずつではありますが目の不自由な方の気持ちを理解し始めています。しかし二年間の学院生活を経たからといってその気持ちのすべてを理解することはできませんし、理解したと思うことは単なる思い上がりなのかもしれません。最後になりますが、今後も本学科一同、視覚障害のスペシャリストになるべく努力し続けたいと思います。


写真 白杖を使っての歩行訓練
白杖を使っての歩行訓練