〔特集〕
平成26年度運営方針
 

⑥発達障害関連事業

 発達障害者支援施策を推進する目的で平成19年度に発達障害情報センターが厚労省に開設され、20年度に国リハに移管されました。また同年度より青年期発達障害者の地域生活移行への就労支援に関するモデル事業を開始しました。
その後22年に秩父学園の統合、脳機能系障害研究部発達障害研究室の新設、24年に発達障害者就労支援普及・定着化事業の開始、学院へ発達障害関連研修の一本化など発達障害関連の体制整備と事業展開が続き、25年度は自立支援局に発達障害支援室、病院に第三診療部が新設され、発達障害情報・支援センターが新設された企画・情報部に移ったことにより、国リハにおける発達障害関連部署がほぼ整備されました。
 今後はこれらの組織を生かし、発達障害者支援施策の方針5本柱(1.地域支援体制の確立、2.支援手法の開発、3.就労支援の推進、4.人材の育成、5.情報提供・普及啓発)に沿って事業運営を行っていきます。発達障害児・者の福祉サービス提供機関である自立支援局秩父学園と発達障害支援室、医療サービス提供機関である病院第三診療部、そこを臨床現場として地域支援体制モデルおよび支援手法の集約、分析、普及啓発を行う発達障害情報・支援センターというそれぞれの役割を果たすために26年度はさらに部門間連携を深めていきます。
 平成26年度に行う発達障害児・者支援に関連する事業6件については下記の通りです。

1 発達障害者就労支援普及・定着化事業
自立支援局発達障害支援室は新規利用者の受け入れを促進し、就労に必要な生活面の支援ニーズに関するアセスメント法の検討を行うとともに、支援ニーズの洗い出しや余暇支援について検討を行います。発達障害情報・支援センターは同事業企画会議、作業部会を事務局として運営し、事業実施に伴う連携体系のサポート、支援手法の集約と普及のためのサポートを行います。

2 発達障害者の就労移行支援事業における効果的な支援手法の検証・普及
センター及び関連機関における発達障害者の就労移行支援事業における利用者個人の状況に応じた支援手法の収集を行い、発達障害情報・支援センターにおいて分析します。また、平成25年度作成した就労移行支援実践記録動画等を活用し、センターの知見について各種機会を通じて発信します。

3 発達障害児等家族短期入所事業
秩父学園では昨年度に引き続き、専門的な支援を必要と判断する発達障害児とその家族を短期入所させ、評価、発達支援、家族に対する療育相談・勉強会、訪問支援等を実施します。

4 発達障害児及び家族の地域生活支援モデル事業
秩父学園では、事業の最終年度として、家族短期入所事業やアウトリーチ活動等の実践による支援を通じた支援プログラムの開発や、発達障害児支援に関する関係機関との連絡調整の仕組みづくり等を整備し、全国へモデルを発信します。

5 発達障害児等デイサービス事業
秩父学園では昨年度に引き続き、発達障害児等が地域で生活していくための支援の一環として、小学校高学年以上の発達障害児等を対象とした支援を実施します。

6 地域子育て支援拠点事業
発達が気になる子どもと親が気軽に利用できる遊びの場を秩父学園に設置して、自然な雰囲気と遊びを通して、子どものアセスメントと保護者の悩みに向き合い、障害がある可能性が高い場合には、早期診断につなげるとともに、その後の継続した支援を行い、子どもの健やかな育ちを切れ目なく支援する事業を実施します。