〔トピックス〕
日中韓リハセンター連携事業 リハビリテーション研究に関する国際シンポジウム2016 参加報告
病院 障害者健康増進・運動医科学センター長 緒方 徹

 今年の国リハ、中国リハビリテーション研究センター、韓国国立リハビリテーションセンターの交流会は、韓国リハセンターの設立30周年記念シンポジウムと合わせてソウルで実施されました。障害者の健康増進がシンポジウムのテーマとして取り上げられ、3か国以外にもアメリカからNIHのLeghiton Chan博士、ジョージタウン大学のGerben Dejong博士がアメリカで行われている地域での取り組みや、活動量調査についての基調講演を行い、国リハからは飛松総長、阿久根副院長と筆者が講演を行いました。
障害者の健康増進については肥満や不活動といった現状の問題だけでなく、それに対処するための情報や資源の不足やそこへのアクセスの問題があることについて、国の違いを超えて共有できるテーマであることを実感する機会でした。
最後には15名程度の車いす利用者が構成する混声合唱団が歌を披露し、シンポジウムに花を添えてくれました。
 翌日は中国リハセンターの方々と一緒に韓国リハセンターを訪問しました。筆者にとっては2年ぶりの訪問となりましたが、2015年から運動施設がオープンしており、病院の患者さんに対してトレーナーが運動指導をするサービスが韓国内での先駆的な取り組みとしておこなわれていました。また、積極的にロボット技術を取り入れる試みが進んでおり、ロボット歩行訓練専任の理学療法士、マシンを使った身体機能評価選任の理学療法士がいるなど大胆な業務分担をしていることが印象的で、ロボットリハビリにかける意気込みが感じられました。
 筆者はこれまで何度かこの交流会に参加する機会があり、今回は中韓のスタッフと再会を果たすことができ、踏み込んだ意見交換をすることができました。国を超えて直接的な共同研究をすることは難しいと思いますが、3か国それぞれの障害者リハビリテーションを代表する機関の間で、問題意識を共有し、機能訓練と生活訓練のあり方、地域ベースのリハビリ、健康増進といった共通のテーマを語ることは互いにとって意義のあることだと思います。
 韓国リハセンターはソウル市の北に位置し、病院の屋上に上ると近郊の山々を見ることができ、山好きの飛松総長も一目置くボルダリングで有名な仁寿峰(インスボン)の姿もあります。
今後も多くの職員がここを訪れ、この景色を見る機会があればと思います。
画像:飛松総長・Leeセンター長( 韓国)・Dong副所長( 中国)
飛松総長・Leeセンター長( 韓国)・Dong副所長( 中国)
画像:運動施設の中のフィットネスジム
運動施設の中のフィットネスジム