〔特集〕
自立支援局就労移行支援
発達障害支援室の取り組みについて
理療教育・就労移行支援部 就労移行支援課 発達障害支援室長 加木屋 小夜里

 平成25年4月、就労移行支援課内に発達障害支援室が設置されました。
画像:郵便の仕分けをしています 郵便の仕分けをしています 画像:作物の手入れをしています 作物の手入れをしています
 当室では、相貌認知の苦手さや自己と他者の役割理解の苦手さ等の特性を踏まえ、利用者からの支援チームの見える化を図っています。サービス管理責任者、生活支援員、就労支援員、職業指導員、作業療法士から構成される職員の一元配置となっています。また、利用相談から職場定着支援まで一貫した支援を行っています。
 支援内容は、「働く」ことを目標として支援しています。職業訓練はもとより、就労に必要な生活習慣の確立など、衣食住にわたる生活上の支援にも力を入れています。
 職業訓練では、作業系から事務系まで色々な体験を重ねる中で、作業の意味や社会的ルールについて学習するとともに、自分自身の得意な事や苦手な事を理解していきながら、就労マッチング支援につないでいます。
 国リハで実施する並木祭などの諸行事への参加も体験の場として、積極的に参加しています。
画像:並木祭に向けて打合せをしています 並木祭に向けて打合せをしています 画像:クッキー作り クッキー作り
並木祭では、イメージを持つことが苦手な発達障害のある利用者が、体験を通して働くイメージや就労意欲を持てることを目的としています。
模擬店の企画では、当日の販売に向けハンドドリップ・コーヒーを淹れる練習を重ね、焼き菓子等の試作や試食、接客の練習を行う等の準備をしています。並木祭当日は、企業等で働く先輩の終了生も参加します。「おいしかった」「丁寧な対応でした」 「ありがとう」などの言葉をお客様から貰いました。人に喜ばれる、仕事のやりがい、達成感を見いだし就職活動に繋がる利用者もおられます。一人ひとりが主体的に取り組み自分の役割を果たすことで、自分の障害特性の理解や他者への理解ができ、さらに深まり、人と人の間で生きることへの体験の場として捉えています。終了後は、利用者、終了生、職員で振り返りを行い、更に終了生から就労して職場で心掛けていることや働きがいなどについて話しを聞く機会を設けています。利用者には有意義な機会となっています。
画像:ハンドドリップ・コーヒーを淹れています ハンドドリップ・コーヒーを淹れています 画像:並木祭当日の喫茶店の様子 並木祭当日の喫茶店の様子
 また、就労生活を安定して続けていくためには、生活面での安定が大切です。生活面の様子は聞き取りだけでは、実際の行動と一致しないことがしばしば見られます。就労を前提とし、社会的な認識に結びついた意味理解に基づいて生活活動を行えることを目的としています。生活経験の乏しさやイメージを持つことの困難さがあるため、「調理」「清掃」「寝具管理」「余暇」「住環境の整備」など体験に基づき利用者が参加できる訓練を提供しています。また、年1回、宿泊体験を実施しています。日常の訓連ではうかがい知れないニーズを今後に生かし、就職後の生活をより充実させていくための支援につなげていけるよう支援しています。
 このように、訓練は体験をベースに行い、訓練後は振り返りをし、体験の社会的文脈による意味づけを確認しながら支援しています。また、国の事業化に先駆けて、地域の支援機関と連携して就労定着支援を行っています。
 今後も利用者の特性やニーズを踏まえて支援内容の充実を目指し、発達障害のある方々への支援に役立てるように職員一丸となって努力していきたいと思います。
画像:三浦半島に行ってきました
三浦半島に行ってきました
画像:ベッドメイキングしています
ベッドメイキングしています
画像:配膳しています
配膳しています