〔トピックス〕
第9回POアカデミージャーナル論文賞受賞報告
研究所 義肢装具技術研究部

 この度、研究所義肢装具技術研究部の三ツ本敦子義肢装具士と中村隆義肢装具士長は、公益財団法人日本義肢装具士協会の学術誌「POアカデミージャーナル」の優れた論文に与えられる「第9回POアカデミージャーナル論文賞」の「原著部門」及び「技術報告部門」をそれぞれ受賞いたしました。これに伴い、令和元年7月14日、日本義肢装具士協会総会にて表彰式が行われましたので報告します。
 三ツ本義肢装具士が執筆した原著論文「徒手式押し込み反力計の操作が軟部組織モデルの硬さの測定値に与える影響」は、これまで経験的にしか表記できなかった切断肢(断端)の硬さを、押し込み反力計で計測することを試み、その手法を検証したものです。ソケット適合の定量的評価のための基礎的研究として評価されました。この論文は早稲田大学 村岡慶裕教授、中村義肢装具士長、学院 丸山貴之義肢装具学科教官との共著です。
 中村義肢装具士長が執筆した技術報告「神経腫の除圧を目的としたライナー用シリコーンパッドの製作」は、義足適合の阻害要因となる神経腫に対して除圧を目的としたシリコーン製パッドを製作し、その効果を検証したものです。論文にはその製作方法を詳細に記載し、技術的価値が評価されました。この報告は山ア義肢装具士(現支援機器情報専門官)、久保義肢装具士(現心身障害児総合医療療育センター)との共著です。
 義肢装具技術研究部は、臨床業務で直面した課題に対し、研究というステージで解決方法を見出し、その結果を再び臨床に還元するという臨床と研究が連携した業務体制をとっています。その成果をまとめた論文に対する今回の受賞は、部の関係者を始め多くの方々の協力により得られたものです。ここに深く感謝の意をお伝えします。


表彰式の三ツ本義肢装具士(左)と中村義肢装具士長(右)(授与者は日本義肢装具士協会 坂井一浩 前会長)