〔特集〕
学院の取組
〜コロナ過の中の養成事業及び研修事業の取組と対策〜

【養成事業】
義肢装具学科の状況

 今年度は学院始まって以来のオンライン入学式で幕を開けました。昨年度からオンライン授業のシステムを他学科に先駆けて導入していた当学科は、入学式の翌日からZoomを利用したオンライン授業を開始しました。しかし、実習科目は延期しなければならず、大幅なカリキュラム変更が必要でした。緊急事態宣言が解除された6月からは対面授業と実習を再開しましたが、オンライン授業は今も一部実施しています。実習では例年より課題数を減らしながらも義肢ユーザーの方々にご協力いただき、義肢の採型から製作、適合までを行っています。

 臨床実習については、中止や縮小を余儀なくされた学校もある中、実習先である義肢装具製作会社の皆様から多大なご協力をいただき、全国各地で働く卒業生の支えもあって私どもは当初の予定期間どおりの6週間を無事に終えることができました。

 また、当学科サークルICT研究会では、4月から5月の2か月間、全国的に不足していたフェイスシールド(1,700セット)とマスク(300枚)を学生が自宅で分業生産し、所沢市だけでなく全国の医療機関等に配布しました。多くの方々から温かい励ましや感謝のお言葉、差し入れやご寄付をいただき、中でもコロナ専門病棟の医師や看護師の方が「品質は市販品以上」と送ってくださった多くの写真入りお便りは学生に勇気を与え、机上では学べない大切なこと、人の温かさや感謝してもらえることの喜びを教えてくださいました。

 この活動に参加した学生は、第36回日本義肢装具学会学術大会で優秀学生演題臨床行動科学賞を、第16回ぼうさい甲子園でwithコロナ賞を受賞し、皆様からの応援に見事応えてくれました。コロナ禍の今だからこそ学べることは多く、今後、災害支援でも活躍できるような人材育成に努めたいと思います。

 コロナ禍で先が見通せない中、当学科の運営にご協力くださり、学生を温かく見守ってくださるすべての皆様に深く御礼申し上げます。