〔特集〕
学院の取組
〜コロナ過の中の養成事業及び研修事業の取組と対策〜

【養成事業】
手話通訳学科の状況

 手話通訳学科は入学式予定日の一週間後にはZoomによる学科オリエンテーションを実施、翌週には10日遅れのオンライン授業開始にこぎつけました。手話通訳学科は視覚言語である手話を扱う関係から、従来より授業でインターネットを積極的に活用していたことが幸いしました。ただし、手話実技の入門期の学習はオンラインでは難しいと判断しました。電波が悪いラジオで外国語の学習を始めるようなものだからです。その後、週の半分はオンラインとし学年ごとに登校日を分ける、授業開始時刻を遅らせるといった配慮のもと、実技の対面授業を1か月遅れで開始しました。

 非常勤講師の先生方のリテラシーは多様であり、オンライン授業対応のためのチュートリアルを実施しました。日々更新される授業スケジュールやZoomURLの共有には、新規に導入したGoogle Classroomが大いに役立ちました。課題の提示や提出、成績管理も容易になり、連携するアプリ(ドリル等)の導入で指導方法の幅も広がりました。オンライン授業の導入は、海外も含めた遠隔地の講師の授業を実施できるなど、メリットも少なくありません。従来集中講義の形をとらざるを得なかった授業も通常の時間割に組み込めるため、来年度以降もコロナ禍の収束状況に関わらず一部授業をオンライン授業とすることは常態化するものと考えます。

 ろう者団体の全国的イベントにスタッフとして参加する「交流実習」については、イベントがすべて中止になってしまったために実施できていません。しかし、その他の実習については、各所の理解と協力のもと、通常通り実施できて
います。

 就職に関してはコロナの影響は明らかではありませんが、就職のひとつの条件ともなる「手話通訳士試験」が中止になってしまったため、現2年生の卒業後のフォローが課題になると考えています。