昨年のシンポジウムでは、過去5年の間に「認知症のある人の福祉機器」の開発と利用に関心が寄せられるようになり、関係者が協力して支援に取り組める基礎が出来てきたことを確認しました。本シンポジウムでは、機器の利活用促進のスタートとして、この協力関係の中で進めている「認知症ケアの中に実際に機器を導入していくための自立支援研究」について、有用性の実証評価、ご本人を対象とした支援ニーズ調査等の成果を報告します。なお、本報告に先立ち、第1部の特別講演では、国立長寿医療研究センターもの忘れセンターの鳥羽研二氏に、認知症ケアの現状と今後の展開についてご講演いただきます。第2部では、認知症当事者の佐藤雅彦氏に、今の生活や継続していきたいこと、支援者へのメッセージをうかがった後、現場の支援職の方々から、機器の導入事例紹介や利活用についての指定発言をいただき、今後どのような形で「機器を活用した支援」を地域ケアに実装していくことが望まれるかを議論します。認知症ケアへの実装に向けて、初めての方も、これまでにご参加いただいた方も、お誘い合わせの上ぜひご参加下さい。
時 間 | 内 容 |
---|---|
10:00- | 開場・受付 |
10:30-10:45 | 開会挨拶 |
10:45-12:00 |
鳥羽 研二 (国立長寿医療研究センター) 「認知症ケアの現状と今後の課題」 |
12:00-13:00 | 休憩 |
13:00-14:40 |
■本人の立場から 佐藤 雅彦 (認知症の人と家族の会) 「認知症になった私が言いたいこと、伝えたいこと」 ■支援者の立場から 朝香 幸生 (太平ヘルスケア) 「服薬支援機器の導入事例紹介」 「ワークショップ参加等を介した機器活用の検討例」 ■ディスカッション 「機器を活用した支援の地域ケアへの実装」 |
14:50-17:10 |
■ 井上 剛伸(国立障害者リハビリテーションセンター研究所 福祉機器開発部 『支援機器を用いた認知症者の自立支援手法の開発−研究概要、および服薬支援機器、認知機能の低下に対応した家電製品の有効性』 ■ 関川 伸哉(東北福祉大学 総合福祉学部) 『探し物発見器の現場での利用の可能性』 ■ 石渡 利奈(国立障害者リハビリテーションセンター研究所 福祉機器開発部) 『日時や予定の情報を支援する福祉機器の有効性評価』 ■ 間宮 郁子(国立障害者リハビリテーションセンター研究所 福祉機器開発部) 『認知症者への福祉機器導入における配慮に関する参与観察』 ■ 永田 久美子(認知症介護研究・研修東京センター 研究部) 『認知症ケアにおける福祉機器利活用の役割』 ■総合討論 |
17:10-17:15 | 閉会挨拶 |
17:30-18:30 | 交流会 |