国立障害者リハビリテーションセンター研究所福祉機器開発部認知症者の福祉機器の研究開発

情報呈示機器

(最終更新日時:2013年4月18日)

 認知症のある人は,「今は,1日の中の何時か?」「先程まで何をしていたのか?,これから何をするのか?」といった時間のつながりや直近の出来事,今後の予定についての記憶が曖昧になるため,生活に見通しが持てず,不安になることがあります。
 本研究では,このような不安を軽減し,認知症のある人が見通しを持って,より自立的に行動できることを支援することを目的とし,時間と出来事(過去と未来)についての情報を一目で確認することができる情報呈示機器を開発しました。

情報呈示機器の写真です

■ 特徴

 ● 「何をしたか?」 を,確認できる。
 ● 「今がいつか?」を,目で見て直感的に把握できる。
 ● 「これから何をするか?」 を,確認できる。

■ 呈示実験と効果 ―短期記憶障害を持つAさんの事例―

 Aさん: グループホーム在住,女性,高齢
 導入前:朝と夕方,食事の時間を職員や同居者に頻回に聞く行動を繰り返していた。日中は,食堂の自席で過ごすことが多く,「退屈だ」という発言が見られた。
 導入後: 機器を利用することで「次の食事の時間」を把握し,空き時間に部屋で休むなど,自立的な行動を取ることが可能になった。


■ 共同研究者

 間宮 郁子

■ 共同研究者

 井上 剛伸

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