障害者の自立生活を実現するためには、経済の自立、住宅の整備、ヘルパーの確保 など、そろえるべき環境は多岐にわたりますが、中でも排泄の自立は大きな課題のひとつと言えます。日々の生活の中で、場所や時間帯によって排泄方法を変え たり、外出先での排泄の失敗を少しでも回避しようと、外出時あるいはその前日から飲食を控えるなど、自己や生活スタイルに我慢や制約を課している人は少な くありません。しかし、多様な福祉機器が障害者の生活を支えるようになった今日でも、排泄問題への技術的な支援手法は十分に発達しているとは言い難い状況 です。
こうした状況を改善していくためには、ユーザである障害当事者自らがニーズを発信 し、求める技術や機器のあり方を、企業や研究者など技術を提供する側に伝えていくことが重要です。 そのためには、開発者側とユーザが交流し、相互理解を深めながらニーズとシーズをマッチングさせる機会が不可欠です。そこで、排泄に関する問題の技術的な 解決策を議論することを目的として、「排泄問題ワークショップ」を下記の要領で開催致します。排泄環境の改善に向けて、開発者側とユーザが一堂に会して意 見交換を行うことを目的とし、排泄に関する技術開発のロードマップを協働して作成することを目指します。