令和6年度(第33回)あん摩マッサージ指圧師、
はり師、きゅう師国家試験の結果について
自立支援局 理療教育・就労支援部 理療教育課
令和7年2月22日(土)、23日(日)に実施された第33回のあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師国家試験の結果が、3月26日(水)に発表されましたので報告いたします。
国家試験の結果は、表1に示すとおりです。自立支援局(所沢並びに函館、神戸、福岡の3センター専門課程)における現役受験者の状況は、あん摩マッサージ指圧師が12名受験し、10名が合格。合格率は83.3%に達しました。
はり師・きゅう師の受験者は14名であり、はり師は9名が合格(合格率64.3%)、きゅう師は10名が合格(合格率71.4%)という結果となりました。
表1 試験結果(自立支援局 現役受験者)
あん摩マッサージ指圧師 | はり師 | きゅう師 | |||||||
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専門課程 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
(人) | (人) | (%) | (人) | (人) | (%) | (人) | (人) | (%) | |
所沢 | 7 | 6 | 85.7% | 8 | 6 | 75.0% | 8 | 7 | 87.5% |
3センター (函館/神戸/福岡) | 5 | 4 | 80.0% | 6 | 3 | 50.0% | 6 | 3 | 50.0% |
計 | 12 | 10 | 83.3% | 14 | 9 | 64.3% | 14 | 10 | 71.4% |
高等課程 所沢 |
0 | 0 | ー | ー | ー |
各資格の合格率は、過去10年間の平均と同等の水準を保っています。令和2年度の国家試験(第29回)からは、出題数の増加や症例に関連した専門科目が重視されるなど、試験内容に変化がありましたが、各センターが丁寧な受験対策を講じてきた成果が表れていると言えます。
視覚障害のある現役受験者の合格率は、前回と比べて10ポイント上がり平年並みの結果となりました(表2参照)。
<表2 参考:全国視覚障害者合格状況 (東洋療法研修試験財団 学校別合格状況より)
あん摩マッサージ指圧師 | はり師 | きゅう師 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
(人) | (人) | (%) | (人) | (人) | (%) | (人) | (人) | (%) | |
総数 | 190 | 124 | 65.3% | 157 | 99 | 63.1% | 151 | 101 | 66.9% |
現役 | 132 | 108 | 81.8% | 114 | 94 | 82.5% | 113 | 96 | 85.0% |
既卒 | 58 | 16 | 27.6% | 43 | 5 | 11.6% | 38 | 5 | 13.2% |
また、表には記載されていませんが、専門課程や高等課程を卒業(修了)した後に再受験し、今回は、函館センターから1名、福岡センターから1名が、はり師およびきゅう師の国家試験に合格しました。「あきらめない」という強い学びの姿勢がうかがわれました。
各センターは、障害者総合支援法に基づく指定障害者支援施設であると同時に、あはき師の養成施設として認定されており、視覚障害者の就労を支援しています。支援内容は資格取得にとどまらず、卒業後の就労に関する相談や研修など、長期的な視点での支援にも力を入れています。
利用者の中には、視覚障害に加えてさまざまな障害や困難を抱える方もいます。センターでは、教官だけでなくケースワーカーなど専門職も連携し、学びと生活の両面から寄り添う支援を行っています。
また、各センターにおいて、再受験のための支援として、再理療教育(独自事業)を行っており、数カ月の受験対策の指導を受け、再び国家試験に挑戦する方もいます。
合格発表後は、卒業生の多くが就労先の研修や現場での施術の実践など社会復帰に向けて忙しい日々を過ごしている様子が報告されています。卒業生の主な就労先は、企業内ヘルスキーパーが最も多く、高齢者施設、訪問マッサージほか、開業を目指し準備している方もいます。なお、学びの深化と技術向上に向け進学した方も複数名います。
今後も、国家試験の出題傾向を把握し、受験対策などの教育的支援を更に強化するとともに、卒業後のよりよい就労に向けた支援の強化も続けていきます。
(文責/教務統括官 舘田美保)