秩父学園の概要
 □国立障害者リハビリテーションセンター自立支援局秩父学園は、福祉型障害児入所施設です。
原則として、6歳から18歳未満の療育手帳を所持する知的障害のあるこどもに対して、指導員と一緒に生活しながらニーズに応じた支援を行っています。
□入園後は、得意なことや不得意なことの整理や抱えている課題などを把握・分析(アセスメント)します。それをもとに、こどもにとって最適な支援を検討して実施します。
□秩父学園は、最終的には住み慣れた地域で生活していくこと(地域生活移行)を目指した『通過施設』です。退園後には秩父学園での支援を引き継ぎ、地域での穏やかな生活を目指します。
入園について
〇入園をお考えの児童のご家族の方へ
 □秩父学園への入園申し込みは児童相談所から受け付けています。まずはお住いの地域の児童相談所にご相談ください。
『入園までの流れ』に沿って進めていきます。相談から入園の決定までは時間がかかることがあります。
お住まいの地域の児童相談所がご不明な場合は以下リンクをご参照ください。
〇児童相談所ご担当の方へ
□秩父学園は厚生労働省所管の国立施設であり、児童福祉法第7条に定める児童福祉施設(障害児入所施設)です。全国どの地域からでも入園していただくことが可能です。
□児童の入所目的に沿って秩父学園での支援期間を検討し、3年や5年といった一定の期間で集中的な支援を行います。その上で、18歳到達を待たずにご本人の特性の把握や環境が整った段階で、地域での生活が出来るよう支援を進めていきます。その際、15歳を迎えた後は児者転換(障害児入所施設から障害者支援施設への転換)も選択肢の一つとなります。
□最終的には、住み慣れた地域へ移行して生活を送ることを目指します。地域での生活を送るために、児童相談所を中心とした地域づくりに努めていただきたいです。秩父学園に入所となった児童のケースを通して、地域で同様に支援を必要とする他の児童等への対応が出来るよう秩父学園もサポートいたします。
□入所に関する問い合わせ、ご相談は随時受付けています。
〇秩父学園からのメッセージ
障害のあるこどもの支援については、本来、ご自身の住み慣れた地域で支援を受けられるよう、各地域の障害児入所施設等で支援を行うことが重要であると考えています。
しかしながら、より高い専門性を必要とし各地域の障害児入所施設等での対応に苦慮する場合には、主に障害特性のアセスメントや課題となる行動へのアプローチ方法、支援の方向性の組み立てを行うまで秩父学園において、短期間かつ集中的な支援を行います。
その支援のノウハウを各地域の障害児入所施設、障害福祉サービス事業所等と常に共有し、地域移行後のフォローアップも行うことで、住み慣れた地域で支援を受けられるようになることを目指します。
※在宅での生活移行について
族による支援中心の在宅での生活移行の選択肢について全てを否定するものではありませんが、家族や支援関係者による事前のディスカッションや移行に向けた慎重な検討が必要となります。その上で、在宅での生活移行の必須条件としては、「家族を孤立させないための体制づくり」と支援を引き継ぐことのできる相談支援事業所を中心とした重度訪問介護、行動援護等ヘルパー、訪問看護等による「支援のチームづくり」が求められると考えます。
こうした各地域と秩父学園との連携した取り組みにより、個別のこどもに対する特別な支援にとどまらず、各地域で同様に支援を必要としているこども等に対し、秩父学園に入所せずともその地域で支えていけるよう各地域の支援体制整備、地域づくりを進めることが重要です。
そのため、秩父学園での受け入れの判断においては、秩父学園と児童相談所を中心とした地域とのパートナーシップの構築を重要視しており、各地域で障害児入所施設等の空きがない、支援に苦慮しているという状況のみをもっての受入は行わない方針です。
秩父学園での受け入れに際しては、児童相談所を中心として、地域での再受け入れ先を確保するための行動や支援内容を共有し支援体制の整備に努めることについてお約束いただきます。
「自身の住み慣れた地域で暮らしたい」というあたりまえの権利を守るため、ニーズを叶えるため、「こどもファースト」を実現するための取組であることをご理解いただき、こどもたちのために、共に「地域づくり」を進めていくパートナーとして秩父学園と共に取り組んでまいりましょう。
<ご留意いただきたい点>
(1)内儀書について
□秩父学園入所に関するご相談を受けた後、原則、児童相談所ご担当の方にはご来園いただき、秩父学園の見学および入所事業についての説明をする時間をいただきたいと思います。
□入所の事前手続きとして児童相談所より内儀書の提出をお願いいたします。書類作成においてはご家族等からの聞き取り作業も必要です。
□内儀書を受領した後、入所要件を満たすか確認をさせていただきます。
□内儀書確認後、必要に応じて児童相談所ご担当の方に連絡を取り、ご本人やご本人の環境に関する質問事項など、情報の補完を行います。医療ケアによる対応の難しさや、入所以外の方法で地域で生活が出来ると判断した際には、入所をお断りすることがあります。
(2)見学について
□内儀書確認後、原則、ご本人、ご家族の方、児童相談所ご担当者の方の秩父学園見学をお願いいたします。
□秩父学園担当者との見学日程調整は、児童相談所ご担当の方にお願いいたします。
□見学時間は、概ね1時間程度です。
□その他、ご本人の状況等に応じて、見学時間等配慮させていただきます。
(3)入所の決定について
□受領した内儀書をもとに、秩父学園入所の検討をさせていただきます。
□検討の結果は、内儀書を提出された児童相談所宛に文書でお知らせいたします。
(4)入所前カンファレンス
□入所決定の通知から1ヶ月程度を目安に、秩父学園、児童相談所、関係機関による入所前カンファレンスを開催いたします。児童相談所のご担当の方は関係機関との連絡調整をお願いいたします。
(5)児童相談所のご担当の方へおねがい
□所の決定まで一定程度のお時間をいただくことから、他の施設にもご相談やご希望をあげるようにお願いいたします。なお、複数の施設へ入所の希望をあげていても、秩父学園入所の検討への影響はありません。
□措置入所、契約による入所に関わらず、入所後は児童やそのご家族の方に対する継続的な支援、退所後の地域での支援体制の整備を進めていただくことをお願いいたします。
 □退所後の進路検討についても、定期的に移行に関する会議を開催していただく等、ご協力ご支援をお願いいたします。
特に退所後の生活に関しては、元々お住まいであった地域に戻っていただけるように進めていきます。地域の支援体制の構築及び地域の障害福祉サービスとの連携をお願いいたします。
(参考資料)
障害児入所施設に入所する障害児等の移行支援・移行調整について
【入所に関するご相談・お問い合わせ先】
秩父学園 地域移行推進課
℡.04-2992-2838(直通電話番号)
内儀関係書類について
 秩父学園の見学後、入園事前手続きとして、児童相談所より内儀書の提出をお願いいたします。
提出に当たっては、地域移行推進課までお問い合わせください。
『入園について』及び『退園について』の項目を確認していただき、ご相談いただくようにお願いいたします。
①児童相談票 (児童相談所で作成された書類)
②児童票 (児童相談所で作成された書類)
③援助指針 (児童相談所で作成された書類)
④診療情報提供書 (児童相談所で作成された書類)
⑤様式 (以下)
※入園が決定した場合には、上記以外にも書類の提出をお願いする場合がございますのでご承知おきください。
退園について
1.退園について
秩父学園は、原則 18 歳未満の方が利用できる児童福祉施設です。
児童相談所には、ご本人が退園するまで連携した支援にご協力いただけるように、重ねてお願いいたします。
 □退園につきましては、入園の事由が解消された場合は利用年齢にかかわらず退園していただきます。
具体的な退園の時期は、保護者及び関係機関とご相談させていただきながら検討いたします。
 □退園するまでの流れについて
退園するまでの流れ(18歳での退園を想定した一例)
 □退園後の生活の場(移行)について
これまでに、多くの方が障害者支援施設やグループホーム(共同生活援助)等に移行されています。
移行先の地域としては、主に入園前に過ごされていた地域やご希望された地域に移行されています。
Q&A
Q1:入園の対象者について教えてください。
A :対象は、6歳~18歳までの学齢児であり、『児童福祉法第4条』に定めのある知的障害のある児童で、療育手帳をお持ちの方となります。
秩父学園は福祉型障害児入所施設となりますので、現在、医療的ケアが必要な児童や重症心身障害児、その他自立歩行が難しい児童などの受け入れは実施しておりません。
Q2:秩父学園は、何歳まで利用することができますか?
A :秩父学園は、児童福祉法第7条に定める児童福祉施設となります。
児童福祉法第4条に定めるとおり、「満 18 歳に満たない」方まで利用することが可能です。
Q3:入園した場合これまで支給されていた児童手当や特別児童扶養手当についてはどうなりますか?
A :児童施設などに入所している場合児童手当は施設の設置者が管理します。
 また、特別児童扶養手当は手当を受けることができなくなります。詳しくは、住所地の市区町村窓口へお問い合わせください。
Q4:他の方の物を壊してしまった場合等はどうなりますか?
A :多くの皆さまは、損害賠償に備えて民間保険に加入され、その中で賄われています。
Q5:スマートフォンやタブレット等の取扱いについて教えてください。
A :高額な電子機器等の破損や紛失等に対して補償等ないため、持ち込みをご遠慮いただいています。
 なお、支援等で必要な方につきましては、個別にご相談いたします。
Q6:病気や怪我、向精神薬等の服薬相談が必要な場合の通院について教えて下さい。
A :社会的養護性の高い児童も多く入園されていることから、本人が不利益を被ることがないように通院等一部お手伝いをさせていただきます。
日常的な健康管理につきましては、当園の看護スタッフが対応しています。
 なお、集団生活を送る上で必要なインフルエンザの予防接種等については、接種の同意についてご協力いただけるようお願いします。
Q7:面会や帰宅について教えてください。
A :面会や帰宅等の詳細については、入園の際にご相談ください。
Q8:利用料はどのくらいかかりますか?その他必要な費用について教えてください。
A :措置入所か契約入所かの違いによって、負担額や利用料は変わります。
   基本的には、ご家族の収入の多寡に応じて決定されますので、児童相談所にご確認ください。
   なお、契約による入園の方は、利用料の他に、食費、光熱費等の実費負担が必要となります。
Q9:入所後の児童相談所の関わりについて教えてください。
A :『児童相談所運営指針』や『障害児施設の入所に係る契約及び措置の運用について
(平成21年11月17日障障発1117第1号)』等にもあるとおり、措置・契約など児童の入園の形態にかかわらず退園するまで継続した支援をお願いしています。
具体的には、定期的な児童との面会、移行に関する会議、その他ご家族や関係機関との連絡調整等、当学園と連携した支援の実施をお願いしています。
Q10:短期入所や日中一時支援、一時保護委託は可能ですか?
A :当学園では、実施しておりません。
