カリキュラムの特色

 義肢装具士として臨床現場で活躍するためには、義肢装具に関係する専門分野科目だけでなく、基礎分野科目(物理・心理学など)や、専門基礎分野科目(医学系・工学系・社会科学系科目)も習得しなければなりません。それぞれの科目は段階的に学ぶ必要があり、当学科では、基礎分野や専門基礎分野の履修状況を考慮した上で、専門分野を学ぶカリキュラムとなっています。

義肢装具士
専門分野・専門基礎分野・基礎分野

履修内容

各学年の履修内容の概略をご紹介します。カリキュラム・シラバス

1年次
  • 専門知識や技術を習得するための基礎として、物理学・心理学・リハビリテーション体育など基礎分野科目を中心に学びます。
  • 解剖学・生理学・運動学などの基礎医学系科目を通して「ヒトの身体の仕組み」を、工学系科目では「力と生体運動」や「構造と強度」などについて学びます。
  • 専門分野の義肢装具概論・基本工作論では、義肢装具の材料に関する知識・工作機械の使用方法・製作技術の基礎を習得します。また装具学Ⅰ・Ⅱでは、実際にヒトの身体を採型し、製作・適合まで行います。
2年次
  • 整形外科学やリハビリテーション医学などの臨床医学系科目の習得を通じて、疾患や障害について学びます。
  • 専門分野では、切断モデルの方々にご協力いただき、下腿義足(4種類)・前腕義手・上腕義手を製作します。その他、下肢装具・靴型装具についても製作実習を通して習得します。
  • 義肢装具製作施設や病院施設にご協力いただき、8月中旬から9月末までの約6週間、臨床実習Ⅰを行います。
3年次
  • 大腿切断・股離断モデルの方々にご協力いただき、大腿義足(2種類・計3個)、股義足を製作します。その他、上肢装具、靴型装具、座位保持装置、側弯症装具など、様々な内容について習得します。
  • 義肢装具製作施設や病院施設にご協力いただき、8月中旬から9月末までの約6週間、臨床実習Ⅱを行います。
  • 研究テーマを各自が設定し、卒業研究を行います。

 専門分野では、製作実習・講義・セミナー形式の発表を通して、義肢装具の原理や構造に関する専門知識と製作技術を習得します。当学科では、3年間で2100時間以上の十分な時間を確保し、約28種類もの義肢装具を製作します。

 装具では、上肢装具(3種類+個別課題1種類)・体幹装具(5種類)・下肢装具(7種類)・靴型装具の製作方法や適合について学びます。

 義肢では上肢切断・下肢切断の切断モデルの方々にご協力いただき、前腕義手・上腕義手・下腿義足(4種類)・大腿義足(2種類・3個)・股義足を製作し、より臨床に近い環境で採型~製作~適合について学びます。電動義手実習では、顆上支持式ソケットの製作および筋電信号の採取演習も行います。その他、座位保持装置についても製作実習の課題として取り上げています。

 3年次には各自が興味をもっている内容を研究テーマとして設定し、卒業研究を行います。優秀な卒業研究テーマについては、卒業後にその成果を学会で発表しています。

 研究に興味のある学生は、1年次・2年次から積極的に研究に取り組んでいます。