画像診断棟と身体障害者の検査

病院 診療部 研究検査科 診療放射線技師 


山本秀昭 ・前野正登・肥沼武司


 リハビリテーションセンターができた後の20年間は、医療機器の進歩にめざましいものがあり ました。病院の放射線部門は、コンピュータ技術の進化とともに施設内で最も変化が大きかった 部門といえるかも知れません。訓練庭園横に設置された画像診断棟は、MR、エックス線CT、脳 磁図計(MEG)等とともに画像保管のコンピュータが設置され、建物全体がコンピュータ室といっ た様相を呈しています。かって、一般的に身体障害者等の施設では、優れた診断機器を設置する ことが稀でした。詳細に身体の様子を知るためには、障害者への設備と配慮が不完全な他の病院 へ出向かざるを得ないこともありました。昭和62年以降、関係者の努力により医療機器整備の充 実が進み、国内有数の診断機器をもつ施設へと変化を遂げ、医療画像を科学する画像診断棟とし て、内外の研究者からの利用が相次ぐほどになっています。
 昭和54年リハセンター開設当初は、小さな移動式のエックス線装置一台があるのみで、業務が 軌道に乗るまでには苦労があったようですが、一応の機器整備が図られ、病院南館地下にエック ス線検査室としての形が整いました。その後、二人の診療放射線技師による検査体制になり業務 は飛躍的に増加しはじめ、朝早くより検査予約が入り昼休み返上で検査に追われる状態となりま した。昭和63年旧画像診断棟の開設と共に慢性的な業務多忙に拍車がかかり昼休みにコンピュー タキーボードの前に座り込んだり、深夜まで画像処理に追われるといったことも懐かしく思い出 されます。やがて診療放射線技師も3人体制となり、平成11年には、地下放射線部門を廃止し、 数箇所に分かれた放射線部門を一括して、新しい画像診断棟(Medical Imaging Center)に移転し ました。
 今回の業績発表会では、画像診断棟の施設内及び機器等を紹介するとともに、診療放射線技師 が身体障害者に対するエックス線等の検査をどのようにして行っているかについてを報告いたし ました。

   わたくしたちは、医療を求める人びとに奉仕します。
   わたくしたちは、チーム医療の一員として行動します。
   わたくしたちは、専門分野の責任をまっとうします。
   わたくしたちは、人びとの利益のために、常に学習します。
   わたくしたちは、インフォームド・コンセントを尊重し、実践します。
    (日本放射線技師会綱領より引用)




前頁へ戻る 目次へ戻る 次頁を読む