社会資源を生かして単身生活

Fさん 30代男性  頚髄損傷による(C5完全)四肢麻痺

現在の状況

 アパートを改修後、朝・晩の乗降車及び排便(2回/週)・入浴(3回/週)の居宅支援サービスを受けて単身で生活をしています。
  日中は、自宅から1時間程度離れた場所にある職場及び自宅にてCADでの仕事を行っています。忙しい時は土日も仕事をしていることがあります。

センター在籍中の状況

 スポーツ事故(プール飛び込み)にて20代前半に受傷し、その3年後に単身生活及び職業訓練校入校を目標に入所されました。トランスファーボードを使用して前方移乗動作の獲得を目指して訓練を行っていましたが、一部の動作獲得に終わりました。入所中に地元での自動車免許の条件書き換えを行うことが出来ました。
  職能訓練にてトールペイントと事務コースを選択され訓練を受けると共にCADの勉強もされました。

Fさんより

 センターに入所して、同じ障害を持った仲間に出会えたこと、単身生活に必要なアドバイスをたくさんもらい、社会資源を利用して単身生活が何とかなるという気持ちになれ、イメージを持つことが出来ました。
  終了後から現在に至って、自分の生活を考えたときに、自分が受けたい支援を受けたい時間帯で行ってくれる事業所を探すことが困難ですが、生活はとても充実しています。
センターは、車いすでの生活を行うのに快適な場所だと思います。是非入所して訓練を受けるべきだと思います。

Gさん 30代男性  頸髄損傷(C6完全)による四肢麻痺

現在の状況

 アパートを改修し、家事援助・訪問看護・訪問リハのサービスを受けながら、単身生活を行っています。排便は、センターでは2回/週でしたが、3回/週に変更しています。センターにいる時は、褥創で訓練がなかなか進みませんでしたが、現在では再発はみられず、通院は1回/月の頻度となっています。傷の予防として、排便後の訪問看護での臀部のチェックは欠かせません。訪問リハでは、2回/週の頻度で関節可動域訓練と車いす操作などの筋力トレーニングを1時間程度行うことで、機能維持を行っています。

センター在籍中の状況

 転落事故(労災)にて20代後半に受傷し、その1年後、単身生活及び職業訓練校入校を目標に入所されました。センター在籍中、褥創を繰り返し訓練の進捗状況は緩やかでした。前方移乗動作は獲得され、自動車免許の条件書き換えを完了されて入所されました。センターでは排便、入浴動作獲得・自動車関連動作獲得されました。
職能訓練ではトールペイントを習得されました。

Gさんより

 センターでは、褥創で入院及び訓練規制などで入所期間の3割程度しか訓練を行うことが出来ませんでした。しかし、一人暮らしか施設入所の選択で、一人暮らしは楽しいだろうなと漠然と考えていました。センターに入所し訓練を行うことや、職員や友人との話の中で具体化することが出来ました。
  現在、生活は順調なのですが、時間の使い方が難しいと感じています。日々とても暇な生活なので、何か熱中することを見つけていかないと…と考えています。

分割できるボードを使用してのトイレの改修例