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ごあいさつ


総長
総長 江藤文夫

 国立障害者リハビリテーションセンターは、障害のある人々の健康を改善し、最善の社会参加を実現するための支援技術の開発と普及を目指して、病院、自立支援局、研究所、学院を運営する厚生労働省社会援護局障害保健福祉部に属する機関です。医療・福祉・就労支援サービスを提供するとともに、そのための支援技術や機器の研究・開発、専門職の養成・研修、さらに国際協力を行う事業活動が1箇所のセンターに集約されている国際的に極めてユニークな施設です。

 当センターは1979(昭和54)年に既存の国立身体障害センターを基盤として、国立東京視力障害センターと国立聴力言語障害センターの在京3施設を統合して、国立身体障害者リハビリテーションセンターとして発足しました。発足当初は更生訓練所のほかに、50床の病院、1部門の研究所、1学科の学院より構成されておりましたが、今日までに各部門とも着実に発展拡大してきました。

 この間、もっぱら身体障害を対象として取り組んでまいりましたが、医療の進歩や社会経済の展開により、疾病構造は大きく変化し、慢性疾患の管理や高齢者人口の増加が社会的課題として意識されるようになりました。障害者施策においても、措置制度から利用契約制度へ移行され、2006年には障害者自立支援法が施行されました。国際的には、1981年の国際障害者年を経て、2006年12月には国連において障害者の権利に関する条約が採択され、障害の概念も大きく変化してきました。こうした社会変化に対応して、身体障害中心から障害全体を視野に入れたナショナルセンターへ機能を再編するため、2008年10月に組織名称を「国立障害者リハビリテーションセンター」に改めました。

 さらに、統一的な方針の下での質の高いサービスの提供及び時代のニーズに即応できる体制の整備をめざして、国立更生援護機関機能の一元化が図られ、2010年4月にセンターの組織改正が行われ、更生訓練所は自立支援局と改められ、全国の更生援護機関、すなわち4カ所(函館、塩原、神戸、福岡)の視力障害センター、2ヵ所(伊東、別府)の重度身体障害者センター、そして知的障害児の施設である秩父学園が自立支援局の内部組織となりました。

 自立支援局は、障害者自立支援施設として障害のある人々の、相談支援、自立機能訓練、自立生活訓練、あん摩マッサージ指圧師やはり師及びきゅう師の国家資格取得に向けた理療教育、職業準備訓練や就労マッチング支援など就労移行支援サービスを提供しています。

 病院では、脊髄損傷、脳卒中、高次脳機能障害、切断などの機能回復リハビリテーションを中心とした医療サービスを提供し、わが国の高位頸髄損傷者、多肢切断者、高次脳機能障害者の医学的リハビリテーションにおいて先導的役割を果たしています。

 研究所では、7つの研究部門と発達障害情報センターにおいて、運動機能障害や感覚機能障害に関する基礎医学・生体工学的研究、福祉機器に関する研究開発、義肢装具に関する研究開発、障害者福祉に関する基礎・実践的研究を行うとともに、全国に向けて情報発信を行っております。

 学院では言語聴覚学科、義肢装具学科、視覚障害学科、手話通訳学科、リハビリテーション体育学科において各専門職の養成を行い、さらにリハビリテーション専門職ならびに福祉関連職の現任研修を行っています。

 国際面では、世界保健機関(WHO)のリハビリテーションに関する指定研究協力センターとしての活動ならびに国際協力機構(JICA)の事業に協力しております。WHO事業への協力としては、障害のある人々へのリハビリテーションマニュアルの作成や国際セミナーを開催しております。

 当センターの役割は、障害のある人々の自立及び社会参加の支援のため、障害とリハビリテーションに関わる中核機関として、障害のある人々の生活機能全体の維持・回復のための先進的な保健・医療や福祉サービスの提供、リハビリテーション技術・福祉機器の研究開発、リハビリテーション専門 職員の人材育成等を担い、障害に関する臨床データ等の情報の評価・分析を行うことにより、科学的根拠に基づく医療・福祉施策の向上に貢献することである、と考えています。そのため、各部門が一体となって利用者主体のサービス提供、障害の構造研究、機能や活動制限の軽減・能力開発の実践と研究を行うことを通して時代を拓くセンターの実現に努めてまいります。

 皆様のご理解ならびに、一層のご支援とご協力をお願い申し上げます。



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