〔センター行事〕
平成19年度障害者週間を終えて
管理部企画課


 毎年12月3日から9日までの一週間が障害者週間として定められております。平成16年6月の障害者基本法の改正により、国民の間に広く障害者の福祉についての関心と理解を深めるとともに、障害者が社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に積極的に参加する意欲を高めることを目的として、法定されました。この期間を中心に、国、地方公共団体、関係団体等においては、様々な意識啓発に係る取り組みを展開します。

 当センターにおいても、障害者の社会参加の推進と障害者問題に対する国民一人ひとりの理解を深めることを目的とし、12月7日(金)当センター講堂において障害者週間記念式典及びトリノパラリンピックチェアスキー(アルペンスキー)日本代表の野島弘氏による特別講演を開催するとともに、障害者週間記念事業の一環として、@研究所オープンハウス(運動機能や感覚機能の回復、最新の福祉機器、災害時の避難に向けた地域での取り組みなど、最新のリハビリテーション研究に関する展示)、A自立支援法における座位保持装置の規格化に関する講演会(座位保持装置の安全性の規格に関する解説と、国際規格(ISO)も含めた最新動向について、厚生労働省及び当研究所の職員による講演)、B認知症のある人の福祉機器シンポジウム(スウェーデンからインゲラ・マンソン氏を迎え、認知症のある方を支援する医療・行政など各分野の方々の講演や支援福祉機器の紹介。詳細はこちらをご覧ください。)、C認知症のある人のための福祉機器展示館の公開(情報提供の一環として、当センターモデルハウス内に生活場面で役立つ機器約50点を国内外から集めて展示。障害者週間の後も随時見学を受け入れております。)、D利用者等に対する特別メニュー食の提供(12月7日は、病院・更生訓練所において、利用者等の昼食を特別メニューで提供しました。)などを実施しました。

 また、今年度は、地域との連携をさらに強化し、広く一般の方々にも当センターの事業を理解して頂くために、埼玉県・所沢市・埼玉県障害者協議会が主催する障害者週間記念事業に協力団体として参画いたしましたので併せてご報告いたします。

 当センターでは、障害者の福祉について関心と理解を深めて頂くために、障害者週間の記念事業としてこのような事業を行っております。来年度は、センター全体の取り組みとして研究所以外の部門も企画をお願いし、更に充実したものにしたいと考えております。




(写真1)特別メニュー食(更正訓練所)
特別メニュー食(更正訓練所)







@ 平成19年度障害者週間記念式典等開催報告


 障害者週間記念式典では、当センター岩谷総長、国立職業リハビリテーションセンター梶田所長の挨拶の後に、永きに亘って当センター利用者に対するボランティア活動を通してご尽力をいただいてきた方々に対し、感謝状及び記念品を贈呈し、感謝の意を表しました。今年のボランティア表彰対象者は4名で、当日は3名の方々が式典に参加され、利用者の代表より、日頃からのご支援に対し感謝の言葉を述べました。

 式典後には、トリノパラリンピックチェアスキー(アルペンスキー)の日本代表であり、現在は日本チェアスキー協会において選手の育成・指導等で活躍されており、また、当センターの一般リハビリテーション課程(現:就労移行支援)に入所され、国立職業リハビリテーションセンターでも機械製図を学ばれた野島弘さんをお招きし、特別講演を開催いたしました。

 講演では、「新たなる航海」という演題で、障害を受障した時のこと、センターでの訓練のこと、チェアスキーとの出会いから現在に至るまでについてお話いただくとともに、チェアスキーについてもご紹介いただきました。

 中でも、訓練のお話では、実際に就職した際の経験談として、当センターと国立職業リハビリテーションセンターで学んだことと、実際に働く会社で求められることとの違いについてもお話いただき、支援サービスを実施するに当たりとても参考になる内容でした。

 また、チェアスキーの現物と実際にチェアスキーで滑走している映像を用いて、チェアスキーの魅力をわかりやすくご説明いただくとともに、両センターの利用者の方々に対して、興味があれば是非挑戦してくださいとも話されました。

 最後に、野島さんは、障害を持つことで、障害のなかったときの自分の人生よりも、有意義な人生を生きていると感じていることを話され、利用者の方々にエールを送っていただきました。

 様々な困難を乗り越え、ご活躍されている野島さんの講演を通じて、我々聴衆一同大きな元気を得ることができたひとときでした。

 末筆ながら、野島さんにはご多忙のところ、今回の講演をご快諾いただきまして、深く御礼申し上げますとともに今後の益々のご活躍をお祈り申し上げます。

 また、センター各部門の方々におかれましては、ご多忙のところ、準備等ご協力いただき感謝申し上げます。




(写真2)ボランティア感謝状授与の様子
ボランティア感謝状授与の様子


(写真3)野島弘さんの特別講演の様子
野島弘さんの特別講演の様子







A 「認知症のある人の福祉機器展示館」オープン


 平成19年12月7日(金)、当センターの障害者用モデル住宅内に新しい施設をオープンしました。その名も「認知症のある人の福祉機器展示館」です。ここには、薬の飲み忘れを防ぐ「アラーム付き薬いれ」や探し物の場所を知らせる「探し物発見器」など、認知症当事者及び介護者を支援する機器を展示しています。オープン当日とその翌日に開催した見学会では、およそ150名もの方々にご来場いただきました。

 近年、海外では、認知症当事者の自立を支援する機器が開発され、機器の適合・評価に関する研究も進められています。実際に生活の中でも機器が使われるようになっており、専門のオンラインショップで機器を購入することもできます。一方、国内では、認知症者の自立を支援する機器はあまり知られておらず、情報を入手する手段や機会も限られています。

 そこで、本展示館では、認知症者の自立を支援する機器を集めて展示することで、当事者及び介護に関わる方々に機器の情報を提供し、機器を用いた認知症者の自立を促進していきたいと考えています。また、機器の開発者の方にも、実際の機器を通じて機器ユーザーとしての認知症者の生活や、どのような機器を必要としているかのイメージを持っていただくことで、今後、国内における機器開発を活性化していきたいと考えています。

 展示館の見学を、随時受け付けております。見学をご希望の方は、センター研究所の武澤(TEL:04-2995-3100(内線2522)、Eメール:dementia@rehab.go.jp)まで、お気軽にお問い合わせください。また、周囲の皆様にも、是非、当展示館のことを宣伝していただければ幸いです。なお、展示内容については、ワムネットのインターネットラジオ番組「村田幸子の今日も元気で」にて紹介されています。ご興味のある方はご覧ください。

 (URL:http://www.jnradio.net/kousa/kousa071217.html

 なお、展示館の開設にあたりましては、センター各部門の方々からの多大なご協力を賜りました。この場をお借りして、厚くお礼申し上げます。




(写真4)国内外から50点以上の機器を収集・展示
国内外から50点以上の機器を収集・展示


(写真5)現在,開発中の最新機器はパネルで展示
現在、開発中の最新機器はパネルで展示







B 埼玉県・所沢市・埼玉県障害者協議会主催事業への参画報告


 今年度は、地域との連携をさらに強化し、広く一般の方々にも当センターの事業を理解していただくために、12月2日に所沢市民文化センター(ミューズ)で開催されました「障害者週間記念のつどい〜協力は地域を彩るみんなの心〜」(埼玉県・所沢市・埼玉県障害者協議会主催)に協力団体として参画しましたのでご報告いたします。

 この障害者週間記念事業には、当センター職員が実行委員会の委員として企画段階からかかわり、当日はセンター展示会場のスタッフのほかに記念事業全体の運営スタッフとしても多数のセンターの職員が参加いたしました。

 この記念事業では、障害がある方が社会で生活していく中で困っていることについて知事と話し合うコーナーや、障害者(施設等)の方の芸術発表、作品の展示・販売など多くの事業が実施されました。

 当センターの展示会場では、当センターの事業内容を知っていただくために、@センター案内ビデオの放映及びパンフレット等の配布、A東洋療法による健康相談と体験治療(マッサージ)、B各種車椅子の乗車体験コーナーと研究所のパネル展示、C視覚障害者用機器展示コーナーと目の不自由な方への接し方の講話(デモンストレーション)などを行い、埼玉県知事や所沢市長をはじめ多くの方々のご来場をいただきました。

 この記念事業に参加協力するにあたりましては、センター各部門の方々の貴重なご助言や多大なご協力を頂き実施することができましたことを心から感謝申し上げます。

 なお、この記念事業のサブテーマ「協力は地域を彩るみんなの心」は、当センターの利用者と職員が応募したテーマを合作したものです。




(写真4)国リハ展示会場の様子@
国リハ展示会場の様子@


(写真5)国リハ展示会場の様子A
国リハ展示会場の様子A