毎年12月3日から9日までの一週間が障害者週間として定められております。平成16年6月の障害者基本法の改正により、国民の間に広く障害者の福祉についての関心と理解を深めるとともに、障害者が社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に積極的に参加する意欲を高めることを目的として、法定されました。この期間を中心に、国、地方公共団体、関係団体等においては、様々な意識啓発に係る取り組みを展開します。
　当センターにおいても、障害者の社会参加の推進と障害者問題に対する国民一人ひとりの理解を深めることを目的とし、12月５日（金）当センター講堂において障害者週間記念式典及び東京フィルハーモニー交響楽団首席フルート奏者の吉岡アカリ氏による特別公演を開催するとともに、障害者週間記念事業の一環として、�@研究所オープンハウス（研究所の各部が進めている研究について、パネル展示や開発・活用機器を紹介）、�A認知症のある人の福祉機器シンポジウム（江藤更生訓練所長による基調講演、長寿科学総合研究推進事業研究成果発表、パネルディスカッション）、�B利用者等に対する特別メニュー食の提供などを実施しました。また、今年度は、地域との連携をさらに強化し、広く一般の方々にも当センターの事業を理解して頂くために、所沢市が主催する障害者週間記念事業に協賛し、１２月６日（土）〜９日（火）の４日間にわたり所沢市役所１階ロビーにて福祉機器の展示及び研究員によるデモンストレーションを実施しました。
　以下に、障害者週間記念式典等の開催報告をいたします。なお研究所オープンハウスの様子につきましては、こちらで紹介しておりますので、ご参照ください。

平成２０年度障害者週間記念式典等開催報告

　障害者週間記念式典では、当センター岩谷総長、国立職業リハビリテーションセンター梶田所長の挨拶の後に、永きに亘って当センター利用者に対するボランティア活動を通してご尽力をいただいてきた方々に対し、感謝状及び記念品を贈呈し、感謝の意を表しました。今年のボランティア表彰対象者は１３名で、当日は８名の方々が式典に参加され、利用者の代表より、日頃からのご支援に対し感謝の言葉を述べました。
　式典後には、東京フィルハーモニー交響楽団首席フルート奏者の吉岡アカリ氏による特別公演を開催いたしました。当初、NHK交響楽団首席フルート奏者の中野富雄氏による演奏を予定しておりましたが、諸事情により中野富雄氏に代わり急遽吉岡アカリ氏の出演となりました。
　吉岡氏は、京都出身で、東京藝術大学卒業後、１９８６年に東京フィルハーモニー交響楽団に入団し、現在、東京フィルハーモニー交響楽団の首席フルート奏者を務められています。これまでにソリストとしても同オーケストラと共演する他、各地でリサイタルを行い、好評を博しています。また吉岡さんは、１９９３年に文化庁在外研修員としてドイツ・ベルリンに留学し、ベルリン・フィルのアンドレアス・ブラウ氏の下でフルートを、またベルリン・ドイツオペラでも研鑽を積まれています。
　当日はセンターでの公演終了後に東京都内で別の公演を控えているという大変に過密なスケジュールの中でしたが、ピアノの加藤識実氏、フルートの石塚貴士氏を伴って当センターの障害者週間記念式典に駆けつけていただきました。
　公演プログラムは、「歌の翼（メンデルスゾーン作曲、シュテックメスト編曲）」、「シチリアーノ（フォーレ）」、「ユーモレスク（ドボルザーク）」、「月の光（ドビュッシー）」、「アルルの女よりメヌエット（ビゼー）」、「さとうきび畑（寺島尚彦）」、「からたちの花（山田耕作）」、「夕焼け小焼け（草川信）」、「アンダンテとロンド（ドップラー）」の９曲で、会場に集まった利用者や職員一同、一流のクラシック奏者による美しい音色に耳を傾けました。演奏の合間にはそれぞれの曲にまつわるエピソードなど曲の解説をつけていただき、また曲の解説だけではつまらないでしょうからと、吉岡氏が演奏で使用している１８金製のフルートのお話やコンサートで着用する衣装にまつわるユーモラスで楽しいエピソードなども披露していただき、終始和やかに進めていただきました。難しくなりがちなクラシックの演奏を少しでも親しみやすくという氏のお心遣いでしょうか。演奏も大変心のこもったすばらしいもので、１８金製の奏でるフルートの音色に心を癒された方も多かったことと思います。演奏終了後利用者から花束が贈られ、アンコールの演奏があり、公演は盛況のうちに幕を閉じました。
　お忙しい中、式典に駆けつけていただきすばらしい演奏を披露していただいた吉岡様、また式典の準備等にご協力をいただいたセンター各部門の皆様方に、紙面をお借りしまして厚く御礼申し上げます。

障害者週間記念式典で挨拶する岩谷総長

ボランティアの方への感謝状の授与