今年、国内の認知症のある人の人口は、およそ462万人と発表されました。オレンジプランによって、地域で暮らす人や、認知症の早期から適切なケアを提供する仕組みづくりも着手され、「生活活動の自立」、「安心感の向上」、「家族の負担軽減」などへの新たな手段として、「記憶や認知機能を補う福祉機器」を活用した認知症のある人の生活支援への関心も高まっています。第8回シンポジウムは、機器活用を推進するため、日本で実施されてきた認知症のある人の生活支援の手法を共有し、現場に即して、より柔軟な活用が実現できるよう、多職種にわたる支援体制づくりを試みます。 第一部では、認知症のある人が自らデイケアのプログラムを考える、物忘れカフェを実現された藤本先生にご登壇いただき、認知症のある人の体験に向き合い、暮らしを支える取組みを学びます。本人の関心や暮らしにフィットした導入・フォローアップは、利活用で重要なポイントとなるでしょう。続いて、実践事例と研究の進捗状況を紹介し、機器を用いた支援の効果と現状を共有します。第二部では、地域包括支援センター(自治体)、居宅介護事業所、薬局、本人・家族、エンジニアなどをパネリストに迎え、支援機器の利用場面を取り上げ、多職種連携のための課題や、機器を用いた支援の意義、有効性について話し合います。第二部の議論は、関係者間の意見交換により、現場で機器を活用するための知恵や情報を共有し、モデル事業の基盤となるネットワークをつくることを目的としています。本シンポジウムで得た情報やつながりを、各現場で生かしていただきたいと思います。ぜひ皆様お誘い合わせの上、ご参加下さい。
時 間 | 内 容 |
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12:30- | 開場・受付 |
13:00-13:05 |
開会挨拶 ■飯島 節(国立障害者リハビリテーションセンター 自立支援局長・総合支援部長) |
13:05-15:00 |
■『日本の認知症のある人たちのネットワークづくりの動向と、包括的地域ケアの要点』 藤本 直規(藤本クリニック医院長) ■『オレンジプランの目的と概要(仮)』 伊藤 光世(世田谷区若林地域包括支援センター 看護師) ■『機器を用いた在宅認知症者への支援事例』 井上 剛伸 (国立障害者リハビリテーションセンター研究所 福祉機器開発部長) ■『軽度認知症者を対象とした服薬支援機器の利活用に関する研究(仮)』 上村 智子(信州大学医学部保健学科教授) |
15:00-15:15 | 休憩 |
15:15-17:25 |
■ パネルディスカッション『認知症のある人の暮らしをひらくネットワークづくりへ』 藤本 直規 (藤本クリニック医院長) 井上 剛伸(国立障害者リハビリテーションセンター研究所 福祉機器開発部長) 戸田 正雄(株式会社日本高齢支援センター代表取締役) 榊原 幹夫(スギ薬局 杉浦地域医療振興財団事務局長 薬剤師・ケアマネージャー) そのほか、現場からの指定発言を予定 |
17:25-17:30 | 閉会 |
17:30-18:30 | 交流会 |