秩父学園では、令和7年4月から運用を開始する特別支援寮において、強度行動障害を有する児童を有期限(1年間を限度)で受け入れ、行動障害の状態の軽減、標準的な支援の実践と支援情報の整理等の集中的な支援に取り組むこととしています。

特別支援寮について

 国立障害者リハビリテーションセンター自立支援局秩父学園では、著しい行動障害の状態にあり、生活している地域において継続して支援が困難である児童に対して、

  • 強度行動障害の状態にある児童への有期限(最長1年間)有目的の集中的な支援(行動障害の状態の軽減、標準的な支援の実践と支援情報の整理)
  • 集中的な支援後に地域で標準的な支援を実践するためのアフターフォロー(地域の支援体制のあり方についての提案)を実施します。

対象児について

 以下の要件Ⅰのいずれかに該当(強度行動障害判定基準表 児基準20点以上は必須)し、要件Ⅱ及び要件Ⅲの全てを満たすこととします。

    (要件Ⅰ:こどもの状態)
  • 著しい行動障害の状態(強度行動障害判定基準表 児基準20点以上)にあり、継続して家庭や地域での生活の継続が困難である児
  • 著しい行動障害の状態を改善することを目的に児童精神科等の医療機関に入院中であるが、医療行為では改善の目処が立ちにくい児
  • 障害児入所施設等において支援を受けて生活しているが、著しい行動障害の状態にあり、現在の環境から一時的に離れることで、行動障害の状態や環境の調整が図れると考えられる児
  • (要件Ⅱ:地域の状況等)
  • サービス等利用計画(基幹相談支援センターにおける相談支援計画等を含む)または児童相談所における援助指針において、短期目標には特別支援寮における支援目標が記載されており、長期目標(設定期間最長1年)には特別支援寮を利用後の居住の場も含めた支援目標が記載されていること
  • 本人、家族等に利用の目的、期間等を説明し合意が得られていること
  • (要件Ⅲ:移行先)
  • 特別支援寮での支援終了後の移行先について、利用申請受理時に確保されていること

入園について

1.特別支援寮に入園をお考えの保護者の皆様へ

【おねがい】

 □特別支援寮は、原則として6歳から18歳未満の知的障害のある児童、または聴覚・視覚に障害を伴う知的障害のある児童であって、上記の要件を満たす児童が入園対象となっています。

 □特別支援寮に入園を希望される場合は、お住まいの地域の児童相談所にご相談ください。 お住まいの地域の児童相談所が、ご不明な場合は以下リンクをご参照ください。

こども家庭庁『全国相談所一覧』をご参照ください。

2.児童相談所のご担当者様へ

【基本的な事項】

 □秩父学園は厚生労働省所管の国立の施設であり、児童福祉法第7条に定める児童福祉施設(障害児入所施設)となります。

 □福祉型障害児入所施設として、埼玉県の指定を受けていますが、埼玉県内のみならず、広域で入園をしていただくことが可能です。

 □特別支援寮は、最長1年の有期での支援の後、児童が地域で生活できるよう支援体制を構築していくことが重要と考えています。このため、申込みの時点で、特別支援寮での支援終了後の移行先が確保されていくことを要件としています。

 □入園に関する問い合わせ、ご相談は随時受付けています。

【入園に関するご相談・問い合わせ先】
秩父学園 地域移行推進課
℡.04-2992-2838(直通電話番号)

[入園までの流れ]
(図)入園までの流れ
(1)見学について

 □児童相談所からのお問合せに対し、対象児童が要件を満たすか確認させていただきます。

 □入所要件を満たしている場合、秩父学園の見学をお願いいたします。

 □秩父学園担当者との見学の日程調整は、児童相談所にお願いいたします。

 □ご本人、保護者、児童相談所ご担当者については、必ず見学にご参加いただけるようにお願いいたします。

 □見学時間は、概ね1時間から2時間程度です。

 □その他、ご本人の状況等に応じて、見学時間等配慮させていただきます。

(2)内儀書について

 □秩父学園見学後・入園の事前手続きとして児童相談所より内儀書の提出をお願いいたします。

内儀書

特別支援寮入所申し込み書式

(特別支援寮)
様式1特別支援寮入所申込書
様式2確約書
様式3強度行動障害児支援加算判定シート
様式4精神科病院等の病院(他科も含む)入院歴について
様式5行動評価表
様式6地域における支援の取り組み(記入例)
様式6地域における支援の取り組み
様式7障害特性を把握し支援を行うためのワークシート

 □内儀書提出後、本人、保護者、入所している施設、学校等と面談等により、入所要件を満たすか確認をさせていただきます。

(3)入園の決定について

 □提出された内儀書をもとに、当学園入園の検討をさせていただきます。

 □検討の結果は、内儀書を提出された児童相談所宛に文章でお知らせいたします。

(4)おねがい

 □入園の決定まで一定程度のお時間をいただくことから、他の施設にもご相談やご希望をあげるようにお願いいたします。
 なお、複数の施設へ入園の希望をあげていても、当学園入園の検討への影響はありません。

 □契約や措置により秩父学園に入園した後も、児童やその保護者に対する継続的な支援をお願いいたします。
 また退園後の地域の支援体制構築の為、定期的に移行に関する会議を招集していただく等ご協力支援をお願いいたします。

内儀関係書類について

 秩父学園の見学後、入園事前手続きとして、児童相談所より内儀書の提出をお願いいたします。提出に当たっては、地域移行推進課までお問い合わせください。『入園について』及び『退園について』の項目を確認していただき、ご相談いただくようにお願いいたします。

 ①児童相談票       (児童相談所で作成された書類)

 ②園児・生療育プロフィール(秩父学園所定様式)

 ③日常生活情報シート   (秩父学園所定様式)

 ④上記のほか、医療情報や心理検査の結果、通学している特別支援学校の個別の教育支援等

 ※入園が決定した場合には、上記以外にも提出をお願いする書式がございますのでご承知おきください。

退園について

1.退園について

 □有期期間終了後は、申込みの時点で確定している移行先に移行していただきます。

 □児童相談所には、ご本人が退園するまで連携した支援にご協力いただけるように、重ねてお願いいたします。

 □退園につきましては、有期期間が残っている場合であっても、入園の事由が解消された場合は移行していただくようお願いいたします。具体的な退園の時期は、保護者及び関係機関とご相談させていただきながら検討いたします。

 □退園するまでの流れについて

「全体像のイメージ」

【特別支援寮い関するQ&A】

Q1 特別支援寮での支援について、教えてください。
 エリア毎にクールダウンスペースを用意するなど、強度行動障害のある児童が安心して過ごせるよう構造化を図った特別支援寮で、
 有期限(最長1年間)での集中的な支援を行い、行動障害の状態の軽減、標準的な支援の実践と支援情報の整理等を行い、退所後の地域の支援体制のあり方についての提案等を目指します。
 目的がアセスメントや支援方法の確立であるため、行動障害の状態が軽減される等目的が達せられた場合は、有期限の1年を待たずに地元に移行していただくこととなります。
 「全体像のイメージ」

Q2 特別支援寮への入園の対象者について、教えてください。
  強度行動障害判定基準(児基準)の点数(20点以上)で、継続して家庭や地域での生活の継続が困難であることや退園後の移行先が確保できているなどの要件を満たしている必要があります。

Q3 特別支援寮に入所した場合、その間の教育はどうなるのでしょうか。
 義務教育期間の児童であれば、秩父学園の学区内の特別支援学校等に転入することとなります。義務教育終了後であり、特別支援学校に在学中であれば、学区内の高等特別支援学校に転入手続きを行うことも可能です。

Q4 特別支援寮で最長1年の有期での支援の後、他の生活寮に移行できますか。
 特別支援寮での支援は、児童が地域の生活できるよう支援体制を構築していくことも、目的の一つであることから、入所申込みの際に、退園後の移行先が確保されていることが要件であり、他の生活寮へ移行することはありません。

Q5 1年の有期の期限内に、状態像が改善しない場合には、入所期間を延長することができますか。
 期限を延長することはありません。状態像の改善だけが目的でないことから、移行先に、その時点におけるアセスメント結果や支援方法等について引き継ぎを行い、移行していただきます。

Q6 地域に戻った後、アフターフォローはあるのでしょうか。  移行先職員による秩父学園での研修、引き継ぎ、職員派遣による移行支援や移行先の施設での勉強会、事例検討の他、支援方法のアドバイス
 などにより、関係機関による主導で秩父学園が後方支援を行う形をとり、地域機関が自立して課題を解決できるよう支援することとしています。

※その他、他の生活寮に入園する場合の「入園について」のQ&Aもご参考にしてください。
入園について | 国立障害者リハビリテーションセンター

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