平成２６年に日本が批准した国連障害者権利条約では、その第四条 一般的義務 第一項の中に、支援機器の開発と利活用の促進が謳われている。支援機器は、障がいのある人々の基本的な権利の享有に、欠かせない存在である。しかし、その開発から利活用に至るプロセスには関与者が多く、また一般製品とは異なる課題が山積しているために、支援機器の実用的な利活用までスムーズに進められない現状がある。
その解決策として、利用者、開発・製造者、供給者、専門職、行政が、それぞれ有する問題意識や知見、情報などを共有し、協働して取り組むこと、すなわち支援機器イノベーションの創出が重要である。国立障害者リハビリテーションセンターでは、それを実現するために、国立研究開発法人日本医療研究開発機構（AMED）【長寿・障害総合研究事業 障害者対策総合研究開発事業】「支援機器イノベーション創出のための情報基盤構築に関する研究（平成２６～２８年度）」を実施し、基礎情報、人材育成、当事者からの情報創発に資する基盤構築に取り組んでいる。
本シンポジウムでは、これまでの研究成果を報告して情報共有を図るとともに、日本全体として取り組むべき共通の課題を認識する。さらに、その解決における、情報基盤の役割や方向性について議論する。
| 時 間 | 内 容 |
|---|---|
| 13:00～13:10 | 開会挨拶 国立障害者リハビリテーションセンター総長 中村耕三 |
| 13:10～13:50 |
《基調講演》 「支援機器イノベーション創出のために」 横浜市総合リハビリテーションセンター顧問 伊藤利之 |
| 13:50～14:10 |
研究報告 「支援機器イノベーション創出のための情報基盤構築に関する研究」 国立障害者リハビリテーションセンター研究所顧問 加藤誠志 |
| 14:10～14:20 | 休憩 |
| 14:20～15:20 |
＜研究成果報告Ⅰ-情報創発および人材育成基盤＞ |
| 14:20～14:50 |
「当事者参加型情報創発基盤の構築」 国立障害者リハビリテーションセンター研究所 福祉機器開発室長 硯川潤 |
| 14:50～15:20 |
「本当に必要なものの開発・普及に向けた人材育成の試み」 国立障害者リハビリテーションセンター研究所長 小野栄一 |
| 15:20～15:30 | 休憩 |
| 15:30～16:30 |
＜研究成果報告Ⅱ-データベース構築＞ |
| 15:30～16:00 |
「義肢装具選択・選定情報データベースの構築」 国立障害者リハビリテーションセンター研究所 主任義肢装具士 中村隆 |
| 16:00～16:30 |
「補装具支給情報データベースの構築」 国立障害者リハビリテーションセンター研究所 心理実験研究室長 筒井澄栄 |
| 16:30～16:50 | 意見交換 |
| 16:50～17:00 | 閉会挨拶 国立障害者リハビリテーションセンター研究所長 小野栄一 |
