4.義肢装具・意思伝達装置の選択・選定情報データベースの構築
- ■研究分担者
-
飛松好子(国立障害者リハビリテーションセンター)
中村 隆(国立障害者リハビリテーションセンター) - ■研究の内容
-
我が国では,義肢装具とその利用者に関する情報収集システムが十分ではなく,現在,「日本に四肢・体幹に障害のある方が何人いて,その中で何人が,どのような種類の義肢・装具を必要としているか」は明らかでありません.その一方で,近年さまざまな義肢装具部品が開発され,その選択肢は多様化しています.しかし,数多くの部品や形式の中から,どれを適切に選択するべきか決定することは必ずしも容易でありません.
本研究は「どのような障害のある方にどのような義肢装具を選択・選定すべきか」を主題に,義肢装具の選択・選定に関わる障害のある方の因子の把握と適応となった義肢装具との関係を明らかにし,障害のある方と義肢装具に関する現状把握と将来予測を可能とする情報基盤を構築することを目的とします.
具体的には障害のある方に関する医療情報と義肢装具に関する機器情報を連結させたデータベースを構築し,障害の原因,障害部位,使用者の年齢などの個人がもつ因子と機能評価の因子および義肢装具の形式・部品との関係を明らかにすることを目標とします.
まず初めに,国立障害者リハビリテーションセンター病院と研究所が保有するデータベースをもとに,下肢切断者と義足に関する新たなデータベースを構築し,その解析を行いました.その結果,障害のある方のどのような因子が義足の形式や部品選択に関与するかを明らかにしました.
現在,専用のデータベースソフトを作成し,近隣のリハビリテーションセンター5施設と協働で下肢装具と義肢を対象としたより幅広いデータ収集を行っています.データベースを構築する因子
5施設による共同データベースの構築
- ■参考文献
-
- 1. 中村隆,補装具製作部における切断者の調査とその傾向-義肢装具士の製作記録から-. 国リハ研紀. 28, 2007, p.93-103.
- 2. 中村隆,三ツ本敦子,山崎伸也,三田友記,久保勉,飛松好子. 切断者の断端長とソケットの関係. 国リハ研紀. 33, 2012, p.13-20.
- 3. 三ツ本敦子,中村隆,山崎伸也,三田友記,久保勉,飛松好子. 義足使用に伴う下腿切断者の断端周径変化. 国リハ研紀. 33, 2012, p.21-26.
- 4. 中村隆,山崎伸也,三田友記,久保勉,三ツ本敦子,筒井澄栄,飛松好子. 下肢切断者のQOL調査. 国リハ研紀. 34, 2013, p.11-18.
- 5. 中村隆,前野崇,田中亮造,山崎伸也,三田友記,久保勉,三ツ本敦子,矢野綾子,飛松好子.下肢切断者と義足に関するデータベースの構築とその解析.日本義肢装具学会学術大会講演集.31,2015,p.206.
© 国立障害者リハビリテーションセンター ,all rights reserved.
© 国立障害者リハビリテーションセンター ,
all rights reserved.