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JICA事業への協力

日本政府が行う開発途上国支援のうち、技術協力と資金協力を独立行政法人国際協力機構(JICA)が中心に行っています。当センターは開設3年目から、障害とリハビリテーションに関係するJICAの技術協力事業に協力してきました。 当初は東南アジアを中心とした人材育成や技術向上への協力でしたが、近年は中南米やアフリカへの協力も行っています。これまでに協力した18の技術協力 のうち、主な協力をご紹介します。

1. 補装具製作技術研修(集団研修) 実施期間:1981年~2010年
Prosthetic and Orthotic Technique

目的:開発途上国の義肢装具(義足、義手、装具)製作技術者を対象に、講義と製作実習を通じて、自分の国で入手できる材料を使用して義肢装具の製作ができるように研修を行い、帰国後は日本で学んだ事を伝達、普及することが研修の目的です。途中から義足を中心とした研修に変更するなどの工夫や、指導をした職員が研修員の国を現地調査で訪問するなどの活動も行い、研修は29年間継続しました。
研修参加者:39か国(アジア、アフリカ、中東、中南米、大洋洲)から計130名の技術者が研修に参加しました。
フォローアップ:協力期間中に2回実施されたJICAのフォローアップ事業として、当センターの義肢装具士計4を4か国に派遣しました。研修の成果の現状把握と、今後の研修企画への要望を収集しました。
成果:研修員は帰国後に勤務先の義肢装具製作部門やリハビリ病院で講習会を開催し、本研修で学んだ技術や知識を伝達しました。
写真:リハビリテーションマニュアル
義足の製作研修

2. チリ国身体障害者リハビリテーションプロジェクトチリ国旗
実施期間:2000 年~2005年

Rehabilitation for Disabled People Project in the Republic of Chile

目的:チリの首都サンディアゴにあるペドロ・アギーレ・セルダリハビリテーションインスティチュート(小児を中心とした国立リハビリテーション病院)におけるリハビリテーションサービスの向上と利用者の社会参加の促進を目的として技術協力が行われました。そのために、リハビリテーションの診断、評価、治療の技術の改善、地域リハビリテーションシステムの構築、人材育成等への協力が実施されました。
当センターの協力:当センターは事前調査、日本・チリ間での調印式をはじめとして短期専門家、評価調査団等に延べ13名の職員を現地に派遣し、チリからは22名のリハビリテーション従事者を研修員として受け入れました。支援を行った病院は小児が中心のため、日本での研修に際しては、国内の療育施設、小児の病院等での研修の調整も当センターが行いました。
成果:目標の中でも"人材育成"と"地域リハビリテーション"については大きな成果をあげたと評価されました。大学の学生の教育研修や地域に開設されたリハビリテーションセンターに職員を派遣してサービス提供を行う等の発展がありました。本プロジェクトは1つのリハビリテーション病院の中での活動ではなく、チリ厚生省や衛生局などの政府・行政の身体障害者施策の一環として位置付けられており、プロジェクトの成果をチリが他の南米諸国に普及するという新たな事業が展開されました。
写真:リハビリテーションマニュアル
プロジェクト終了時のペドロ・アギーレ・セルダリハビリテーション病院職員からの挨拶


チリがプロジェクトの成果を以て南米諸国のリハビリテーション従事者に研修を行う南南協力としてJICAの第三国研修コースが2006年~2015年まで2期にわたり実施されました。
当センターはチリで実施される研修会の外国講師として、延べ3名の職員を派遣し、日本のリハビリテーションの紹介やチリ厚生省、国立リハビリテーション病院との意見交換を行いました。



3. 中国中西部地区リハビリテーション人材養成プロジェクト中国国旗
実施期間:2008年~2013年

Project for Human Resource Development of Rehabilitation in the Central and Western Region in China

目的:中国ではリハビリテーションに従事する人材はニーズの拡大に追いつかず人材の整備が重要な課題でした。特に、北京等の中央と地方の格差は大きく、中央に蓄積された技術や知見を中西部の3つの地域(重慶市、陜西省、広西省チワン族自治区)に普及することを目的として、プロジェクトが実施されました。3地域にあるリハビリテーションセンターに遠隔地教育システム(テレビ会議システム)を導入し、北京の中国リハビリテーション研究センターによる研修を実施しました。更にリハビリテーションサービスの質の向上とそのサービスを受ける障害がある人々の数が増えることが設定されました。
当センターの協力:当センターは国際医療福祉大学、日本理学療法士協会、日本作業療法士協会とともに、医師延べ5名を現地に派遣し、中国の若手のリハビリテーション従事者47名に対して本邦研修を実施、中間時の評価調査団への参団を行い、プロジェクトに協力しました。
成果:中国政府の方針として障害者リハビリテーションの向上は重要な目標となっており、その時期に人材育成のプロジェクトが実施されました。遠隔地教育により、知識、技能を向上したリハビリテーション従事者は各地のリハビリテーションセンターにおいて、リハビリテーションチームアプローチを開始したり、定期的な研修を実施する等の活動が行われるようになりました。


4. ミャンマーリハビリテーション強化プロジェクトミャンマー国旗
実施期間:2008年~2013年

Project on Strengthening of Rehabilitation n Myanmar

目的:ミャンマーでは障害がある人々のリハビリテーションを含む医療的サービス、教育、職業訓練等の社会的サービスに取り組んでいましたが、サービスの範囲は限られ、多くの課題を抱えていました。障害がある人々が受けられる基本的な医療サービスの機会の拡大、サービス提供者の技術の向上などへの支援を行うことを目的に、技術協力が行われました。教育機能も有するリハビリテーションの中核機関として、国立リハビリテーション病院を中心に、リハビリテーション医療専門職の技術向上、リハビリテーションサービスの向上、病院間の連携の取組みが行われました。
当センターの協力:医師、理学療法士、作業療法士、看護師9名を、事前調査、短期専門家として派遣し、ミャンマーの研修員17名を受け入れるとともにプロジェクト運営へのアドバイス等を行い協力しました。
特に人材育成としてTOT(講師養成研修)では脊髄損傷と脳卒中のリハビリテーションについて理学療法士、看護師を対象に指導を行いました。
成果:ミャンマー各地からの研修受講者による後進講師の育成に結びつきまし た。国立リハビリテーション病院内の情報共有が進み、患者さん用のパンフレット作成や患者さんの満足度調査が実施されるようになりました。
国立リハビリテ―ション病院が中心となってセミナー、ワークショップを開催し、他の医療機関との連携、情報交換が進みました。
写真:リハビリテーションマニュアル
ミャンマー国立リハビリテーション病院



5. ミャンマー社会福祉行政官育成(ろう者の社会参加促進)プロジェクト フェーズⅡミャンマー国旗
実施期間:2011年~2014年

Project for Supporting Social Welfare Administration –Promotion of the Social Participation of the Deaf Community Phase 2

目的:障害がある人や社会的弱者に対する支援を担当する社会福祉・救済再建復興省の行政官をニーズに合った施策の計画、実施ができるように育成すること、障害分野において施策が進んでいないろう者に対する標準手話の策定、社会参加を進めるために必要な手話通訳者の育成を行政官、ろう者、ろう学校教員が共に取り組むことを通じて、行政官の育成と手話指導者の指導能力および手話支援サービスが向上することを目的として活動が行われました。
当センターの協力:当センターは第1フェーズの途中から第2フェーズの終了まで協力を行いました。学院手話通訳学科教官延べ9名が、手話指導の理論と実技について、短期専門家として現地で指導を行い、ミャンマーの行政官、ろう学校教員、ろう者で手話指導を行う研修員60名の研修受入を通じて技術協力を行いました。
成果:計画的な手話支援者の人材育成が実施され、手話支援者と指導者の能力が向上したとともに、ろう者のワークショップや手話講座が多数開催され、ろう者や手話に関する啓発活動が進みました。
写真:リハビリテーションマニュアル
現地での指導の様子



6. コロンビア地雷被災者を中心とした障害者統合リハビリテーション体制強化プロジェクトミャンマー国旗
実施期間:2008年~2012年

Project for Strengthening the Integral Rehabilitation System for Persons with Disabilities, Especially for Victims of Landmines

目的:コロンビアは長年にわたる国内紛争で使用された対人地雷による被害者が多数おり、地雷被災者を含む障害がある人々のリハビリテーションの質の向上を目的として、国内の2地域を対象として医療機関における人材育成、切断と視覚障害のリハビリテーションのガイドラインを作成、障害がある人々の権利、義務、制度についてリハビリテーション関係者が知識を得る、地雷被災者の応急手当に関する知識を得るための活動が行われました。
当センターの協力:当センターの医師延べ6名を事前調査、短期専門家、アドバイザーとして現地に派遣するとともに、コロンビアの政府機関職員、リハビリテーション専門家の研修18名の受け入れを行いました。
成果:対象とした医療機関でリハビリテーションのガイドラインが作成、活用され、チームでリハビリテーションを行う体制が強化されました。地域の中で地雷に関してや、障害がある人の権利に関する啓発資料が作成され、応急手当に関する技術指導の実施などが行われました。これらの活動を他の地域にも普及させるため、セミナー等が実施されています。本プロジェクトは終了しましたが、コロンビア政府の要請により、障害がある人を中心に据えた新しいプロジェクトが現在開始されています。
写真:リハビリテーションマニュアル
プロジェクトにより障害がある人々の権利についてのパンフレットが作成された



7. リビア義手義足支援リビア国旗
実施期間:2013年~2014年

Rehabilitation Techniques (Prosthetic and Orthotic Techniques)

目的:リビアは2011年の内戦で多くの人々が負傷しました。時の暫定政府からの要請を受けて、日本は義肢に関する支援を行うこととなり、リビアの義肢製作技術者に対する技術研修と、リハビリテーションに従事する医師・理学療法士への研修のプログラムを通して、リビアにおけるリハビリテーションの向上を目的としたプロジェクトが実施されました。
当センターの協力:リビアに関してはJICAもこれまで協力の実績があまりなかったため、国内の現状に関する情報が少なく、事前のJICAによる現地調査にセンターからも医師1名を派遣して関係者からの聞き取り等を行いました。研修にあたっては、当センターの義肢製作、理学療法、作業療法の各部門がテキスト作成から研修プログラムの実施までを担い、医師・理学療法士研修2回行いました。義肢製作技術研修も2回実施予定でしたが、2014年に2回目の研修直前にリビア国内の情勢が悪化したため、実施は見送りとなって現在に至っています。
計29名の研修員を受け入れました。



JICAウェブサイト