第1章 導入ガイド

 ここでは、本ソフトウエアをインストールして使える状態にするまでの条件や手順を解説します。

1 エディタの概要

1) エディタとは

 「エディタ」は、文書を読み書きするためのもっとも効率的かつ強力な道具です。ここでいう文書には、メモ書き、メール、事務書類、htmlのソース、論文、プログラムなどあらゆる種類のテキストが含まれます。したがってエディタは情報処理のためのもっとも基本的なソフトウエアであるということができます。

2) ALTAIRの特徴
(1)「早くて簡単」

 ALTAIRは音声や点字表示に基づいて効率よく入力・編集等の操作ができる視覚障害者用エディタです。動作速度と操作性に優れており、初心者でも楽に使いこなすことができます。

(2)「多機能かつ高機能」

 中・上級者のためには、マルチ・ファイル編集、電子辞書検索、インターネット・アクセス、電話発信、ブロック単位での編集、マーク付け機能、コピー・アンド・ペイスト、改行コードまで含んだ検索・置換など、使い方しだいで色々と活用できる機能を数多く用意しています。

(3)「リアルタイム点訳」

 ALTAIRは、EXTRA for Windows の点訳エンジンを利用してリアルタイムに変換精度の高い点字表示を行うことができます。音声だけでは難しい細かい作業も、編集中文書を点字ディスプレイに表示しながら快適に行うことができます。点字ファイルも、点字ディスプレイで快適に読むことができます。

(4)「ファイルサイズ無制限」

 巨大文書も編集できるというのもALTAIRの大きな特徴です。一行の長さ、総行数、ブロックの大きさにも制限はありません。メモリ、ディスクのフリースペースがつきるまで編集作業を行うことができます。1メガ、2メガといった巨大テキスト・ファイルの編集も簡単に行うことができます。

(5)「電子辞書検索」

 ALTAIRには便利な電子辞書検索機能があります。文章を書きながら国語辞典や英語辞典などを引くことができ、検索結果を文章にペイストすることも簡単です。

(6)「インターネット・ブラウザ機能」

 ALTAIRはインターネット・ブラウザ機能を装備しています。ホームページの閲覧はもとより、検索エンジンの利用、フォーム入力、FTPなどにも対応しています。

(7)ワード、エクセル、一太郎、PDF、RTFからのテキスト抽出機能

 ALTAIRは、ワード、エクセル、一太郎、PDF、RTFの各ファイルを読み込むことができます。

(8)メーラーの機能

 ALTAIRは、メニュー選択式の簡単なユーザインタフェースを備えたメーラー機能を装備しています。添付ファイル処理、メールの振り分け、スレッドなどにも対応しています。

(9)シェル機能

 ALTAIRはシェル・モードを提供します。シェル・モードでは、任意のコマンドを実行することができます。タグ・ジャンプやヒストリー機能も使えます。

3) 論理行と物理行

 ところで一般のスクリーン・エディタは、ディスプレイ表示を見ながら編集することを前提に設計されています。そのためカーソル移動は画面と連動させる仕様になっています。たとえば、上カーソルを押すと、画面上でカーソルが一行上に上がります。また画面の右端で右カーソルを押すと、次行の先頭にカーソルが移動します。これは当り前のようですがそうではありません。物理行と論理行の違いを説明します。物理行とは、画面の折り返しの都合でできる見かけ上の行のことです。スクリーンという物理的制約によって生じる行だから物理行です。一方、ALTAIRが扱うのは論理行です。論理行とは改行コードを終端とする行のことです。論理的な区切りによってできる行だから論理行です。
 ALTAIRはディスプレイを出力装置とするスクリーン・エディタではなく、サウンドカードと点字ディスプレイを主要な出力装置とする視覚障害者用エディタですから、画面の物理的制約を考慮することはしません。物理行ではなく論理行にカーソル移動を連動させるのは、ALTAIRの大きな特徴の一つです。こういう言い方が分かり難ければ、物理的制約のない巨大スクリーンを頭の中でイメージしてください。ALTAIRのカーソルは、この巨大スクリーンに対応しているということができます。

2 動作環境

 ご利用のシステムが下記の動作環境に合致するかどうかを確認してください。

1) 対応パソコン

 DOS/V機

2) 音声環境

 マイクロソフト社が規定するSAPI4規格に準拠する音声合成ソフトウェア(Windowsに附属するSam等)が必要です。

3) 対応OS

 Windows XP/2000/Me/98/95

4) 必要なメモリ

 64メガ以上を推奨します。

5) 対応点字ディスプレイ

 パワーブレイル40、ナビゲータ40、ブレイルノート20、ブレイルノート40A、ブレイルノート46C/D/X、ブレイルメモ、ABT320/340/380、サテライト544/570、ブレイルライト18/2000/40/ME20/ME40に対応しています。

3 インストール

1) CD-ROMを入手した場合

 CD-ROM版を入手された場合は、Windowsが起動した状態でCD-ROMを挿入すると自動的にインストール作業が始まります。

2) ホームページからパッケージをダウンロードした場合

 altair-version.exe をホームページからダウンロードした場合は、install.exe を実行してください。インストール作業が始まります。

3) インストール作業

 インストーラには音声点字表示機能はありません。視覚障害者が自力でインストールするにはスクリーンリーダーが別途必要になります。
 インストーラが起動すると、[ALTAIR for Windows x.xxのインストール] ダイアログが表示されます。
 ここではプログラムをインストールするフォルダを指定します。
 ALTAIR の標準インストールフォルダである C:\winal\ でよろしければ、[次へ>] ボタンを押して続行してください。
(以降のマニュアルの説明で、「winal\」と記載されている場合には、ALTAIR のインストール先を意味します。)
 次に、スタートメニューに登録する名前が聞かれます。変更する必要が無ければ、このまま[次へ>] ボタンを押してください。
 ファイルのコピーが開始されます。
  ファイルのコピーが完了すると、[インストールが完了しました。「完了」を押すと終了します] というダイアログが出ます。[完了] ボタンを押してください。
 以上でaltairのインストールが完了しました。

4) アンインストール

 Windowsの[コントロールパネル]から[アプリケーションの追加と削除]を選び[ALTAIR for Windows x.xx] をアンインストールしてください。
 ALTAIR のアンインストーラは、インストール先に作られたファイルも削除(ユーザーに確認のメッセージを出します)します。また、変更のあった設定ファイルなども削除します。
 アンインストールの際は、インストール先に必要なファイルが無いか確認し必要ならばバックアップを取ってください。

4 AL.CFG

1) AL.CFG

 ALTAIRのエディタとしての基本的な動作は特別の設定なしに機能しますが第3章「応用操作ガイド」で説明するような機能や、本編で説明する基本機能のうちの初期設定以外の機能については、AL.CFGというコンフィギュレーション・ファイル(設定ファイル)を正しく設定しなければなりません。
 AL.CFGはALTAIRフォルダに置かれたテキスト・ファイルです。ALTAIRなどのエディタで読み込んで設定を変更することができます。マニュアルを読んでALTAIRの使い方を理解しつつ、自分の環境や自分の使い方に合わせてAL.CFGを設定していくようにしてください。
 コンフィギュレーション・ファイルには1行に1オプションずつ設定用コマンドが記述されています。
 コマンドはすべて'-'で始まります。それ以外はコメントとみなされます。