お知らせ

研究概要

当研究室では、聴覚と言語機能の障害に関して、以下の2つのテーマの研究を進めています。

<吃音>

1. 吃音の病態の解明
脳計測の技術(MRI, NIRS)を用い、吃音のある方々の脳の構造(神経線維の接続)や機能(話している時の脳活動)を測定することで、吃音のある方々の脳の特徴を明らかにすることに取り組んでいます(現在は、これらの研究を進める若手研究員を募集中です)。
またH28年度からは、幼児吃音の疫学(出現率や治癒率)を明らかにすることを目指し、大規模コホート調査を進めています。
加えて、吃音のある成人が併せ持つ確率が高い社交不安について、その特徴を明らかにする試みを始めています。


2. 吃音の評価と支援法の開発
 吃音による、生活全般における困難度を測定する評価法や、吃音にまつわる信念(思い込み)を測定する評価法の日本語版を、国外の研究者と連携して作成しています。
 支援法については、シャドーイング、ビデオ・セルフモニタリング、PCによる視覚的フィードバックなどを用いた新しい訓練方法を開発・導入し、その効果を検証しています。


3. 幼児吃音の支援システムの構築
保育園・幼稚園における調査に基づき、集団における吃音のある幼児への支援方法・内容、専門家受診のための判断基準等を示したパンフレットを作成しています。加えて、講習会・研修会の有効性の検証も進めています。

<手話>

1.  日本手話の言語学的研究
日本手話とはどのような特徴を持つ言語なのかを明らかにする基礎研究,その社会状況や通訳・翻訳等についての研究

2.  難聴児の手話療育体制整備に関する研究

先天的・言語獲得前からの聴覚障害は,音声言語の自然な習得が困難ですので,手話を習得する選択肢も必要になります。こうした先天的・早期聴覚障害の9割以上のお子さんが,聞こえる両親をもつため,家族への支援が求められています。このような背景を踏まえ、難聴児が手話を身に付ける環境をどのように整えたら良いかについて研究を進めています。