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研究

 

・頚髄損傷者の重篤な体温調節障害は、社会参加を阻害する要因の一つであるため、早急に頚髄損傷者の温熱環境の計画・評価方法を確立する必要があります。

・夏期、中間期、冬期の実験用衣服を着用して人工気候室実験を行い、頚髄損傷者の季節ごとの至適温湿度範囲(※体温変化が起きにくい温湿度範囲)を推定します。

・推定した至適温湿度範囲は、当事者及び介護者にとって、室内空間(住宅、自動車等)の温湿度を調節する際の目安として利用できることが期待されます。

頚髄損傷者の体温調節機能の問題として,寒い環境で熱が逃げること,暑い環境で熱がこもることなどがあり,室内空間の熱環境計画において配慮が必要であることを説明している図
研究協力者が温度や湿度を管理された人工気候室で実験に参加する様子

研究の流れ

  • 令和5年

蓄積されている人工気候室実験のデータに、頚髄損傷者10名の実験データを新たに加え、中間期(春・秋)の至適温湿度範囲を推定しました。その結果、室温25±1℃、相対湿度50~70%と推定されました。

  • 令和6年

頚髄損傷者10名を対象として人工気候室実験を行い、夏期の至適温湿度範囲を推定します。

  • 令和7年

頚髄損傷者10名を対象として人工気候室実験を行い、冬期の至適温湿度範囲を推定する。中間期、夏期、冬期の至適温湿度範囲を、当事者及び介護者が理解しやすいように図示化(指標化)します。