2019年11月14日【これが国リハだ! 脳卒中リハ看護課程との下肢装具特別実習】

学院にはPO学科をはじめとする養成課程のほかに、脳卒中リハの臨床現場で働く実務経験5年以上の看護師さんが認定看護師の資格を得るための教育課程(CN課程)が存在します。脳卒中リハでは下肢装具が多く処方されるため、CN課程と合同で下肢装具特別実習をすることになりました。

実習では “脳卒中片麻痺患者さんに初めてのプラスチック短下肢装具を製作する” という課題が与えられ、PO学科1名とCN課程3-4名でグループを作り、採型から仮合わせまでの工程を3日間で行うことになりました。実際に多くの患者さんと接しているCN課程の方々には片麻痺患者さん役をしていただきました。

現役の看護師さんの採型をさせていただくということもあり、最初は皆とても緊張していました。しかし、会話を重ねるうちに緊張もほぐれていきました。今回、CN課程の方々の採型をして何より良かったのは、片麻痺患者さんをリアルに再現していただけたことでした。学生同士の採型では、たとえ麻痺のある患者さん役をしていても、採型する学生が作業しやすいように動かないはずの足を上げてしまうことがあります。しかし、今回の実習ではそうはいきませんでした。模擬患者さんであっても、採型している間にだんだん座っている姿勢が崩れてきて、麻痺している下肢も持ち上げるのに重く、採型ってこんなに難しかったっけ?! と焦るばかりでした。採型終了後にも、
「作業を始める前に、これから何をするのか1つ1つ説明をしてほしい。何をされるのか分からなければ不安になる。」
といった指摘をいただきました。私たちは採型するだけでなく、採型されることにも慣れてしまって、そういった気遣いをおろそかにしていたことに気付きました。 CN課程の方々も実際に採型されてみて、患者さんが感じる身体的・心理的負担、看護師として行うべきサポートを肌で感じ考えるきっかけになったとおっしゃっていました。

その後、私たちが2日後の仮合わせに向けて必死に装具を製作したのは言うまでもありません・・・。 仮合わせ日を迎え、製作した装具が適合するのか不安でしたが、全員が不適合なく仮合わせを終えられました。CN課程の方々には義肢装具士の仕事を間近に見ていただき、
「装具1つを作るにも多くの工夫をしていることが分かった」
との感想をいただきました。また、患者さん役をしてくださった方々からは、
「自分のために作ってくれた装具というのは想像以上に嬉しいもの。患者さんに『リハビリ頑張ろう!』と思わせるような装具を作って!!」
とエールをいただきました。

最後は、実習で感じたことをグループで発表しました。CN課程の方々には患者さんへの声掛けや表情などコミュニケーションの大切さを指摘していただき、装具が適合したことを一緒になって喜んでくださいました。PO学生だけの実習で、完成した装具にこれだけの喜びを誰かと一緒に感じることはありません。今回、臨床現場で働く先輩である看護師さんと一緒に実習ができて、そして交流を持つことができて、素直に楽しく、嬉しかったです。

CN課程との合同実習は今回が初の試みだったそうですが、現役の看護師さんと一緒にグループワークができるなんて、国リハのPO学科でなければできないことです。私の学年で合同実習が実施されたことを本当にラッキーだったと思います。
そして,CN課程の皆さんもきっと同じように感じてくださっていると思います。なぜなら、実習中の写真をHP用に提供してくださったのですから!!
本当にありがとうございました。

(文責:2年生 M・I)

大勢の看護師さんに囲まれて採型.めっちゃ緊張する~!

ドキドキの仮合わせ

意見交換!視野が広がった時間でした

聞いたことは漏らさずメモ!

この似顔絵は誰でしょう?→PO学科2年 A・S

「患者さんが笑顔になる装具」を作れるように頑張ります!!