事例(1)アパートの修復

ビルタイプの集合アパートであり、室内を加工する許可は得られなかった。
トイレ、風呂は自力で可能にするため台を設置することになった。
基本的に独居ではあるが友人の協力が得られる。

【プロフィール】

◆20代・男性
◆障害名:頸髄損傷(C6完全)による四肢麻痺 
◆Zancolli(ザンコリー)の分類:左右 C6B2 
(腱移行術により両肘伸展及び側腹つまみ可能)
◆家族構成:独居
◆ADL動作/最終段階
食事、整容、更衣動作などの身辺動作は自立。
排尿は自己導尿で自立。
排便、入浴は高床式の環境で自立。
自動車は手動装置付きの車にて運転可能。
◆改修箇所:玄関、トイレ、浴室

玄関

改修前

 玄関内外に段差があり、解消が必要。玄関内の段差は低めである。幅員は十分なスペースが確保されている。

改修後

 共用部分である廊下にスロープを設置する案を提示。扉はドアクローザーの撤去と、扉を閉じるための工夫を行う。

※クリックすると大きな画像が見られます。

※クリックすると大きな画像が見られます。

トイレ

改修前

トイレは横型である。出入り口に段差(100mm)があり車いすでの乗り入れは困難。

改修後
便座は、車いすの高さに補高して、安全面と動作面から台と手すりの設置を行った。使用時は扉の部分に台を設置して、前方移乗を行い便座上では端座位をとる。健常者も使用するため移乗用の台は取り外し式にして扉を閉められるようにした。排尿の処理も台を外した状態で行える。

浴室

改修前
浴室はユニットであり、出入り口には段差(120mm)がある。トイレ同様車いすの乗り入れが困難である。
改修後

※クリックすると大きな画像が見れます。

組み立て式のパイプユニット(ヤザキ化工:イレクター)とスノコを使用して、浴室用の台を作製。上面はスポーツマットを敷いた。移乗に関しては、トイレ同様に使用時に入り口に台を設置し、間口には防水カーテンを取り付けた。健常者使用の際は、移乗用の台を取り外し、扉を閉めることが可能。