事例(5)主婦業を目的とした新築

 ADLは環境設定により自立。新築を行い、本人が動作を行いやすいように整備している。
  主婦業を行うため、キッチンや洗濯の環境においても、重点的に整備されている。

【プロフィール】

◆30代・女性
◆障害名:頸髄損傷(C7完全)による四肢麻痺 
◆Zancolli(ザンコリー)の分類:左右 C6B3
◆家族構成:夫・子
◆ADL動作/最終段階
食事、整容、更衣動作などの身辺動作は自立。
排尿は自己導尿で自立。
排便、入浴は高床式環境にて自立。
移乗は前方・側方移乗ともに可能。
家事動作は、環境整備より可能。

アプローチ・玄関

玄関は開き戸であるが、鍵の開閉や把持は簡易に使用できる。床下に防湿処理を行っているため、床高をあげることなくアプローチ可能である。玄関内は段差がない。

トイレ

トイレは高床式で、健常者も使用できるように便器前を跳ね上げ式にしている。

浴室

洗い場と浴槽

脱衣場と洗い場

シャワー水栓

洗い場下のグレーチング

浴室暖房

浴室は、トイレの横にあり便器の反対側に更衣用の背もたれを設けている。カーテン越しに浴室があり、奥の入り口から健常者が使用するスペースに入ることができる。暖房の設置も行っている。

洗面・自室

ドラム式洗濯機と、車いすで使用可能な洗面台。

 自室は2階部分にあり、エレベータを使用して昇る。ここにも洗面台と汚物流しを設置している。それらの、水周りとはロールカーテンで仕切ることができるようにしている。洗面台の前の床面には防水の工夫を行っている。

キッチン・その他

 リビングとキッチン。リビングテーブルは車いすで使用可能なように作製している。キッチンも、寄り付きの良いように家具屋にオーダーして作製。引き出しの代わりに移動可能なワゴンを用いるなど、頸髄損傷者でも使用しやすい工夫がされている。

洗濯干しのためのドライルーム。ハンガーは電動で昇降可能である。