視覚障害者のための

インターネット活用マニュアル



山 内  繁 編


国立障害者リハビリテーションセンター

(WHO指定研究協力センター)

2004年 3月

 
国立障害者リハビリテーションセンターは、1995年に「障害の予防とリハビリテーションに関するWHO指定研究協力センター」となった。
以下に委任事項を記す。

1. 障害の予防と軽減を図る医療、リハビリテーション技術の研究・開発を行い、WHO研修員および他の職員の教育と訓練を通じてこのような技術の利用についての情報の普及を図る。  
2. 障害をもつ人々の社会生活技能を高めるための技術を開発し、教育と訓練を通じて技術に関わる情報の普及を図る。  
3. 障害をもつ人々のための地域型リハビリテーション(CBR)、プライマリー・ヘルス・ケア等の社会的支援システムの現状について調査と研究を行う。  
4. 障害をもつ人々へ福祉用具の普及を図る。  
5. 障害をもつ人々の保健・医療・福祉専門家の教育と訓練のため手引書を製作する。  
6. 障害をもつ人々のリハビリテーションについての会議とセミナーを企画する。  

       国立障害者リハビリテーションセンター
       障害の予防とリハビリテーションに関するWHO指定研究協力センター
 

目 次



編者/執筆者一覧

第1章 導入ガイド
 1 エディタの概要
  1) エディタとは
  2) ALTAIRの特徴
  3) 論理行と物理行
 2 動作環境
  1) 対応パソコン
  2) 音声環境
  3) 対応OS
  4) 必要なメモリ
  5) 対応点字ディスプレイ
 3 インストール
  1) CD-ROMを入手した場合
  2) ホームページからパッケージをダウンロードした場合
  3) インストール作業
  4) アンインストール
 4 AL.CFG
  1) AL.CFG

第2章 基本操作ガイド
 1 起動と終了
  1) プログラム名
  2) 起動
  3) 終了
  4) カレントフォルダの設定
 2 ファイルのロード、インサート、オープン
  1) ファイルのロード
  2) インサート
  3) オープン
  4) 入力ファイルの検索
  5) ワード、エクセル、パワーポイント、PDF、RTFファイルの読み込み
  6) 履歴を使ったロード
 3 ファイルへのセイブ
  1) セイブ
  2) 部分セイブ
  3) 全ファイル・セイブ
  4) 追加セイブ
  5) ファイルバックアップ
 4 ファンクション・コマンドの選び方
  1) ファンクション・コマンドの基本
  2) トグル式による選択
  3) 上下カーソルによる選択
  4) 左右カーソルによる選択
  5) キャンセル
 5 文字入力とカーソル移動
  1) 文字入力
  2) カーソル移動
 6 文字削除
  1) カーソルの一文字手前の文字削除
  2) カーソル位置の文字削除
  3) 削除文字の復活
  4) カーソル位置から行末までの削除
 7 行削除と全文削除
  1) 行削除
  2) 全文削除
 8 検索
   1) 検索
  2) 逆向きの検索
  3) あいまい検索
  4) 検索の続行
 9 置換
  1) カーソル位置以降の全置換
  2) 部分置換
  3) あいまい置換
  4) ファイル先頭からの全置換
  5) 置換後のカーソル移動
 10 読み上げ
  1) 現在行の読み上げ
  2) 現在位置からの連続読み上げ
  3) 文字読みと行読みの切り替え
  4) 前行と次行の読み上げ
  5) 折り返し表示
  6) ステイタス情報
  7) 現在文字のコード読み
  8) 現在文字の詳細読み
  9) 改行スキップ
  10) 読み上げ禁止機能
  11) 改行、空行エコー
 11 ブロック編集
  1) ブロック指定
  2) ブロック削除
  3) ブロック・コピー
  4) ブロック移動
  5) 連続ブロック・コピー
  6) ブロック復活
  7) ブロック・セイブ
  8) ブロック・アペンド
 12 マーク付けとコピー・アンド・ペイスト
  1) マーク付け
  2) マークへのジャンプ
  3) コピー
  4) カット
  5) ペイストバッファへの自動保存
  6) ペイスト
  7) 検索、置換とペイスト
  8) ファイル名のヒストリバッファ
  9) クイックコピー
  10) マークの保存
  11) クリップコピー
  12) クリップペイスト
 13 カーソルの移動
  1) 左右カーソル
  2) 上下カーソル
  3) 指定行へのカーソル移動
  4) 自動カーソル移動
  5) 文節ジャンプ
  6) '{'と'}'のピンポンジャンプ
 14 入力モード 
  1) 挿入と上書きの切り替え
  2) 入力データタイプの指定
  3) コントロールコードの入力
  4) 拡張アスキー削除
  5) ファンクションキーのスワップ
 15 点字ファイル
  1) 点字テキスト変換
 16 マルチ・ファイル編集
  1) 編集できるファイルの数
  2) ファイル1とファイル2の切り替え
  3) ファイル1からファイル10までの範囲の切り替え
  4) ファイル間のブロック編集
 17 フォールド
  1) フォールド
  2) ワードラップ
 18 音声エンジンの設定
  1) sapi.cfg
  2) 音声エンジンの指定
  3) 読み上げ速度の指定
  4) 音声エンジンのピッチ指定
  5) beep
  6) mysapi.cfg

第3章 応用操作ガイド
 1 点字表示機能
  1) 点字表示
  2) メッセージ・モード
  3) 点字ディスプレイ側の操作
  4) 点字ディスプレイを使うためのAL.CFGの設定
  5) 点字カーソルのオン/オフ
  6) 行番号表示
  7) タブ値の設定
 2 電話発信
  1) 電話発信
  2) 電話発信のためのAL.CFGの設定
 3 印刷
  1) 墨字印刷
  2) 点字印刷
 4 ホット・ファイル・リストとバッチ処理
  1) ホット・ファイル・リスト
  2) バッチ処理
 5 電子辞書検索
  1) 対応している主なCD-ROMおよび電子ブック
  2) CD-ROMを使うためのAL.CFGの設定
  3) CD-ROMの選択
  4) CD-ROMの検索
  5) 検索結果を読み込むファイルの指定
 6 インターネット・アクセス
  1) インターネット・アクセス方法
  2) 基本操作
  3) リンクジャンプ
  4) 検索エンジンの利用
  5) リストの管理
  6) ローカル・ファイルの読み込み
  7) バッチ処理
  8) ログの保存
  9) ソースの取得とテキスト変換
  10) フォーム入力
  11) MAPとFRAME
  12) FTPとの連携
  13) MAILとの連携
  14) プロクシーサーバーの利用
  15) ブラウザ・モード
  16) FTPによるホームページ管理
  17) cookieとauthentication
  18) SSL
  19) RAS
  20) DAISYの再生
  21) 構造表示モード
 7 メーラー
  1) メーラー・モード
  2) 終了
  3) 使用前の各種設定
  4) 基本操作
  5) 編集機能
  6) ショートカットキー
  7) マルチアカウント
 8 シェル
  1) シェル・モード
  2) シェルの終了
  3) コマンドの入力
  4) 編集機能
  5) 改行無しコマンド入力
  6) ヒストリー
  7) 音声再生
  8) ファイル名補完
  9) シェル設定オプション
  10) タグジャンプ

第4章 テクニカル・ガイド
 1 ホット・キー
  1) ホット・キー
 2 al.cfgによるコンフィギュレーション
  1) コンフィギュレーション・ファイル
  2) 電話用通信ポートの指定
  3) 電話番号ヘッダー
  4) 電話用シリアルポートの通信パラメータ設定
  5) 点字ディスプレイ用通信ポートの指定
  6) 点字ディスプレイの種類
  7) 点字ディスプレイ用シリアルポートの通信パラメータ設定
  8) 点字ディスプレイのサイズ
  9) 点字ディスプレイの表示文字数
  10) ワードラップ
  11) 点字表示と点訳モード
  12) 行番号表示
  13) CD-ROMの本番号の指定
  14) CD-ROM名表示
  15) 電子辞書検索プログラムの選択
  16) 電子辞書検索の結果を読み込むファイルの指定
  17) 外字テーブル名指定
  18) 条件検索
  19) CD-ROMドライブの指定
  20) 検索ツール固有オプション設定
  21) ホームページ設定
  22) 検索エンジンの設定
  23) ユーザIDの設定
  24) アクセスしたホームページの自動ログ・セイブ
  25) プロクシーサーバーの設定
  26) ホット・ファイルのラベル登録
  27) ホット・ファイル名登録
  28) 行読みモードを初期値とする
  29) ファイルバックアップを行う
  30) データ形式
  31) 音声表示と点字表示の設定
  32) マークの保存
  33) 置換後にカーソル移動しない
  34) 折り返し表示(墨字用)
  35) 折り返し表示(点字用)
  36) フォールド
  37) フォールド時のワードラップ
  38) ペイスト機能の限定
  39) カレントフォルダ指定
  40) 改行スキップ
 3 AL.CFGのサンプル

 インターネットの活用は、情報社会における社会生活に欠くことができないものになった。
デジタル・ディバイドと呼ばれる情報通信技術(ICT: Information and Communication Technologies)の活用機会の格差は国際協力の中心課題の一つになっており、2003年12月にジュネーブで開催された国連情報社会サミットにおいても様々な角度から検討された。
 開発途上国においては、ICTの開発と導入における計画段階からの障害者の参加と参画を軸としたユニバーサル・デザインの推進が特に重要である。
 音声もしくは点字によるコンピューター画面の表示技術は、視覚障害者にとってはまさにデジタル・オポチュニティーであるが、主に経済的な理由で開発途上国の人々がこのような機会に恵まれることは極めて希であった。
 他方、近年の地球環境問題に関する認識の向上等により、使用済みパソコンの途上国における再利用が現実のものとなり、今後数多くの中古パソコンの途上国への提供が見込めるようになってきた。そこで、これらの中古パソコンを視覚障害者が活用するために入手可能な支援ソフトウエアの提供が極めて重要になってきたのである。
 本書は、途上国の視覚障害者に提供するために当センターが開発した支援ソフトウエア(Altair for Windows English Version)の解説書である。Altair日本語版は、日本障害者リハビリテーション協会が全盲のソフトウエア開発者であり日本障害学会会長もつとめる石川准教授と共に開発し日本の視覚障害者に無償で提供して好評を博している。このたびの当センターの英語版の開発により、途上国の視覚障害者が、ワープロ文書、インターネット、さらにはCD-ROM辞書等を駆使し、自ら発信するためのソフトウエアを無償で提供することができるようになった。
 日本から提供される使用済みパソコンの活用を考慮して、英語版Altairは日本語Windowsおよび英語Windowsのどちらにでもインストールできる。英語ボイスシンセサイザー、点訳エンジン、各種フォーマットの文書ファイル閲覧用フィルターも内蔵している。そして、Web上の情報検索、閲覧および入力に必要なすべての機能とインターネットメールの送受信、さらにはWebで情報発信をする際に不可欠のファイル転送機能も持つ。対応OSはWindows95以降のWindowsのすべてである。配布は、Altairダウンロード(www.normanet.ne.jp/~altair/index_e.html)によって行われる。
 英語版Altairが、多くの途上国の視覚障害者にインターネット活用の機会を提供し、障害者の社会参加に寄与することを期待する。

山内  繁



編者

山内 繁
 国立障害者リハビリテーションセンター



執筆者


河村 宏
 国立障害者リハビリテーションセンター

石川 准
 静岡県立大学