頚髄損傷者等の自立訓練(機能訓練)・施設入所支援

 主に頚髄損傷等による重度の肢体不自由の方に対し、医学的管理・看護・介護のもと、理学療法・作業療法・リハビリテーション体育・職能、その他の相談援助等を行い自立に向けた支援をします。

安心して、訓練・生活ができる4つの特色

1.頚髄損傷リハビリテーションの豊富な経験と実績。専門訓練スタッフが自立に向けて、質の高いリハビリテーションを提供します。

2.医学的管理のもと、看護・介護も充実。安心して生活することができます。

3・将来の生活に向けた相談や関係機関との連絡調整等、随時相談支援が受けられます。

4.頚髄損傷者の障害特性に配慮した、やさしい環境と設備が整っています。

医学的管理

診察や各種検査等を行い合併症や生活習慣病予防等、健康管理の支援を行います。また、適切な栄養管理を行うために栄養指導を行います。

看護部門

健康的な生活を送ることを目指し、健康管理や身辺処理ができるように支援します。

1.健康管理支援

障害特性をふまえ、利用者が主体的に健康管理出来るように24時間体制で支援します。また、健康の保持・増進及び二次合併症の予防が出来るように支援します。

2.地域・家族との連携

訓練終了後に健康的な生活を送ることができるよう、地域の社会資源や関係者等への情報提供を行います。

介護部門

日常生活や環境整備等について直接的な支援を行うとともに、実際の生活場面で活用できるように支援します。

1.日常生活支援

看護師や他部門と協力しながら、24時間体制で日常生活上の支援(食事・排泄・整容・入浴・更衣・起床や臥床の支援等)を行います。

2.環境整備支援

シーツ交換や身辺の整理及び家族等の介助者に介護指導や助言等の支援を行います。

理学療法(PT)

理学療法では、関節可動域や筋力の維持・改善を目指しつつ、主として日常生活活動(ADL)の基礎となる移動・起居・移乗の各動作および自動車関連動作の獲得や習熟を目的とした訓練を行っています。

1.移動

自走車椅子の駆動・電動車椅子の操作等、個々の身体状況に応じて実用的な移動手段を選択するとともに、その能力の向上を目指します。また、生活で必要になる屋外移動や公共交通機関の利用についても支援します。

2.起居

仰向け・うつ伏せ・座位など、さまざまな姿勢の安定性向上と、各姿勢を結ぶ寝返りや起き上がり等の動作能力の向上を目指します。

3.移乗

車椅子とベッド・トイレ・風呂・自動車などの間の乗り移りについて、身体状況に応じた方法を検討し、その能力の向上を目指します。

4.自動車関連

移乗や車椅子の積み下ろしをはじめ、自動車の運転に必要なさまざまな関連動作の獲得を目指します。※新規免許取得や運転訓練に対する支援は自動車訓練室で行います。

5.車椅子、他の補装具の選定や調整

車椅子や各種装具など、身体状況に応じて必要な補装具について検討するとともに、その作製に向けた助言・指導および使用開始後の調整を行います。

作業療法(OT)

作業療法では、食事・整容・更衣・排泄・入浴等の日常生活動作や身の回りの管理、食事などの生活関連動作の獲得および習熟を目的とした訓練を行っています。対象者に合わせて福祉用具や自助具などの選定、住環境整備についても支援します。

1.食事

自助具や福祉機器を活用しながら、食事動作の向上を目指します。

2.整容

自助具や福祉機器を活用しながら、歯磨き・髭剃り・洗顔・爪切りなどの整容動作の向上を目指します。

3.更衣

ベッド上あるいは車椅子座位などの環境設定や動作方法を考慮しながら能力の向上を目指します。

4.排泄

排尿は自己導尿や留置カテーテルの挿入、収尿器の処理や片付けなど対象者に適した動作能力の向上を目指します。排便は洋式トイレや高床式トイレといった環境で座薬挿入や清拭などの動作能力の向上を目指します。

5.入浴

高床式浴室やシャワーチェア、福祉用具などを利用して動作能力の向上を目指します。

6.住環境整備

福祉用具の紹介や住宅改修相談、必要に応じて家庭を訪問し、家屋調査や指導などを支援します。

7.生活関連動作

居室清掃や調理などの家事動作やパソコンやタブレット・携帯などの仕事及び余暇活動について支援します。

リハビリテーション体育

スポーツの持つ様々な特性を活用し、体力や運動能力の向上を目指します。また、運動の習慣化に向け、競技スポーツの体験や自身で継続できる運動方法の習得などの支援を行います。訓練は主に体育館で行い、日常生活用車椅子(手動・電動問わず)で実施します。

1.体力の向上

10m走や1,000m走などの走種目、競技として行われている種目に加え訓練の為に考案したゲーム種目などを通じて、瞬発力や持久力、敏捷性などの体力の向上を目指します。

2.運動技術の獲得

スポーツを行う際に必要な、投げる・捕る・打つなどの動作や、より応用的な車椅子操作技術の訓練を通じて、自身の身体を理解し自在に動かすことができる運動技術の獲得を目指します。

3.社会性の向上

グループで課題に取り組む訓練を通じて、集団の中で自身の役割を発揮するなどの社会性の向上を目指します。

職能

職能訓練では個々の能力やニーズに応じてパソコン各種ソフトの習得や、簿記の習得を行っています。

1.キーボード操作

必要に応じて作業療法部門が作成した自助具を使用します。

2.マウス操作

利用者の多くはマウスの代わりにトラックボールを使用します。

3.パソコン各種ソフトの習得

ワープロソフト(キーボード操作・ショートカットキー・機能の習得)、表計算ソフト(トラックボール操作・機能の習得)、その他(CADソフトの習得・インターネット活用等)

4.簿記の習得

必要に応じて初期簿記の習得を支援します。

自動車訓練

自動車訓練室では、障害のある方が自動車を安全に運転するために必要な知識や技能の習得を図ることによって、自立した日常生活または社会生活を営むことに寄与することを目的に、普通自動車の運転訓練を行っています。

1.新規訓練

第一種普通免許を取得するための訓練を行います。対象者は、自立支援局で機能訓練を受けている頚髄損傷の方です。指定自動車教習所ではないので、全ての試験を運転免許試験場で受験します。

2.習熟訓練

運転免許取得後に受傷した方、障害の状態が変わった方、障害後長期間運転を中断していた方を対象に、障害の状態に応じた運転補助装置が装備された自動車を安全に運転できるようにするための訓練を行います。

※評価結果に応じて、訓練の可否や目標等の設定を行います。             

 ☞ 自動車訓練についての詳細はこちらから 

 ☞ 頚髄損傷者に対する自動車運転支援マニュアル

 【動画】 車椅子から運転席への移乗(右:C6B1 左:C6B2)

 ☞【動画】 運転席から車いすへの移乗(右:C6B1 左:C6B2)

社会部門

1.日常生活上の相談・支援

家庭復帰や復学、復職等の個々の目標達成に向け、関係機関との各種相談や連絡調整を行います。個々の目標や自立計画へのアドバイス、家族や市区町村との連絡調整、福祉サービスの利用調整等を行います。

2.行事やレクレーションの実施

センター内の行事への参加や、所外レクリエーション等を行い、グループでの活動や外出に関する支援を行います。

終了時の支援について

利用期間中、利用者・家族・支援事業者との面接を行い、毎月行われる医師とのカンファレンス、3ヶ月毎に行われる支援調整会議・決定会議により訓練の進捗の確認を行い、終了に向けた支援を行います。利用終了後に向けて、在住する地域の医療・福祉機関による医学的管理・看護・介護についての支援を調整し地域生活がより良いものになるよう支援します。

復学・復職の支援、就労のための就労移行支援の利用、障害者職業訓練校(国立職業リハビリテーションセンター)受験の手続きなど、社会経済活動の支援を行います。


日課時限

主な日課は以下のとおりです。訓練については個別支援計画により、各自異なる時間割を作成します。
訓練時間(1コマ)は1時間単位ですが、訓練によっては連続して実施することもあります。

入浴や排便は、個々の状況に応じて時間帯が異なります。

時間内容
7時00分起床
8時00分朝食
9時00分~12時00分各種訓練・排泄支援
12時00分昼食
13時00分~17時00分各種訓練・入浴支援
18時00分夕食
21時30分

門限

22時00分就寝

ご利用について

利用期間

18ヶ月以内(頚髄損傷による四肢の麻痺その他これに類する状態にある方は最長3年間)

利用期間や訓練内容は利用者の方々によって異なります。
利用開始後の評価・面接等を通して利用者の方々のニーズを把握し、目標や課題、訓練内容、利用期間などを決定します。

ご利用いただける方

施設利用について市区町村から「障害福祉サービス受給者証」の交付を受けた方がご利用いただけます。
見学・相談や利用申込み手続きについては、総合相談課までお問い合わせください。



電話 04-2995-3100(代表) FAX 04-2992-4525(直通)

利用定員

概ね90名

利用料(利用者負担)について

障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)に定められた基準に基づいて、ご利用いただいた障害福祉サービス費や食費・光熱水費のご負担があります。利用料はサービスのご利用回数等に応じて算定します。

研修について

頚髄損傷者に対するリハビリテーション研修会を行っております  ☛過去の資料は こちら

頚髄損傷看護プログラム

訓練される頚髄損傷者向けの、健康管理についての説明資料です。